司法試験の勉強をしていると、記憶をしなければならない場面に必ず出くわします。では、なぜ特定の事項については記憶しなければならないのでしょうか。
それは、受験生は、択一においては六法も見ることができず、論文においても六法以外は見ることができないからです。
暗記は必須
したがって、択一においては条文知識が求められますし、論文においては、六法に書いていないこと以外のことは、しっかりと書けるようにしなければなりません。
だから、記憶をすることが必要なのです。
実務家になると、六法でも何でも見ることができるので、暗記をする必要がないのです。要するに、受験生は参照できるものが限られているからこそ、暗記が必要になってくるのです。
このように考えると、例えば、論文に関しては、六法に載っていないことは全て暗記の対象になるとも思えます。しかし、論文で求められていることは、特定の事項を正確に表現して、正確な理解を示すことなので、一定程度の「理解」があれば、全てを暗記する必要はありません。
暗記することをどう減らすか
そうすると、なるべく多くのことは理解して、自分なりの言葉で(時に判例のキーワード等が必要な場面もありますが)、その事項について説明できればよく、最後の規範部分だけ暗記すれば、暗記する部分は最小限度で済みます。
以上から、勉強の仕方として、いかに暗記事項を減らすかという観点は重要な視点だと思います。しかし、それは、勉強の手を抜くという性質のものではいけません。
あくまでも、理解で済ませられることは理解で済ませ、特定の言い回しが要求される部分、判例の言い回しを正確に書けることが要求される部分についてのみ暗記するというのがいいでしょう。また、どうしても理解できないことは誰にでもあると思うので、そういった事項については丸呑みするという形で丸暗記することも必要になるかもしれません。
昔から、暗記は悪だといわれがちな試験ですが、意味をはき違えてはいけません。理解すべきことは理解する。暗記すべきことは暗記する。
この区別が重要なのであり、例えば論証パターンを丸暗記するということは「悪」と言ってもいいかもしれませんが、特定の言い回しやキーワードと言った点についてはしっかり暗記しているか否かで勝負がついてしまいます。
そういった暗記には必要性が認められるのですから、覚えるべきことはしっかりと覚えるような勉強をしましょう。
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