なお、令和3年度の予備試験論文二桁で合格した方の勉強方法を紹介した、https://blog.izumiya-law.com/1008も参考になると思いますので、こちらも併せてご覧いただければと思います。
X(旧Twitter)でも注目されているむしどりさんの勉強方法について、気になる方も多いと思いますので、皆様の勉強方法の参考になれば幸いです。では、どうぞ。
こんにちは、むしどりです!
働きながら予備試験を受験し、2回目の受験である令和5年度の試験に最終合格しました。
今回は、予備試験の論文合格に至るまでの道筋を、時系列に沿って書いてみようと思います。
なお、1年目の受験(2021年5月~2022年7月)は平日1~2時間、休日8時間、2年目の受験(2022年8月~2023年9月)は平日4~5時間、休日8時間程度です。
利用したのはstudyingでした。
理由は、安かったのも勿論ありますが、何よりも講義の時間が短かったためです。
1講義平均40分程度の長さで、1科目約50回ほどでまとまっており、大変コンパクトです。
この段階で重視したのは、とにかく挫折しないことでした(実は大学2年の時に独学で予備を受けようとして1か月で挫折した過去があります笑)。
そのため、所要時間が短く、素早く全体を一周できるstudyingに決めました。
通勤電車の中や昼休みの時間にスマホで講義を聞き、帰宅後その日聞いた回のレジュメを復習しました
その際、自作問題集を作成します。
例えば、八幡製鉄事件判決とは何か?みたいな、ざっくりとした問題です。解答は紙には書かず、脳内で済ませます。
この、自分で問題を作り(脳内解答で)繰り返し解くという手法は、私が大学生の時、大学の試験対策で編み出した手法です。
平日で5講義分進め、土日で平日進めた分の復習(自作問題を解き直します)をしました。
2週間で1科目(民法は1か月)のペースで進めました。
全科目終了した後は、自作問題集をベースに講義の内容を復習し、盤石な基礎力の醸成に努めました。
伊藤塾の赤本(試験対策問題集)を、実務基礎も含めて解きました。
実務基礎はstudyingで簡単な基礎を学んだ後すぐに赤本に取り組みました。
この段階でも起案はせず、脳内構成のみでした。3周ほどしたと思います。
全く歯が立たず、不安になったことだけ覚えています。
この時期に選択科目の経済法の基礎講座(bexa剛力先生の講義)を聴講し、論点解析経済法という本も3周しました。これまた脳内構成です。
憲法以外の6科目は伊藤塾マコタンを使用しました。憲法のみ短パフェ使いました。
マコタンを選んだのは量がコンパクトだったからです(今は法学書院が潰れたことで絶版になっているようです。)。
憲法のみ短パフェにしたのは、マコタンと過去問集のどちらが効果的かを見極め、来年以降の短答対策に活かすためです。
1周目は、普通に解きます。これまで基礎講座や論文対策で十分解答できる問題には×印をつけ、当該問題は二度と解かないようにしていました。とはいえ、×が着く問題は2~3割程度でした。
1章終わるごとに最初に戻って×以外を解き直していました。最後まで終わるころには、2周したことになります。
3周目は×以外を順に解いていきました。その際分からない問題や間違えた問題に☑を付けます。
これで全選択肢が①×、②何もマークしていない問題、③☑の3つに分けられることになります。以後は③を中心に周回し、たまにメンテナンスがてら②も解き直していました。
短答の結果は、以下の通り(紛失したため、写真はナシです)
憲法26、行政法18、民法22、商法18、民訴19、刑法23、刑訴19、教養36、総合175(法律145)
この時はとにかく過去問を解きました。基本的に答案構成で解き進めました。
とはいえ起案経験ほぼ0で本番を迎えるのはまずいので、この時期に集中的に泉谷先生の個別指導を受けました(後述)。
提出した答案は毎回ボロボロでしたが、丁寧な指導を受けたおかげで少しずつ形になっていきました。
が、無情にも本番が来てしまい、、、
こんな感じで大敗を喫してしまいます。

泉谷先生には、2022年の論文試験の前後半年程度、お手伝いをしてもらいました。
泉谷先生の添削は、とても細かく、特に当てはめにおいては、しっかりと理由を書かないと「なぜ?」という指摘がすぐに飛んできました(笑)
ただ、「結論はどちらでもいいから、説得的な当てはめをしましょう!」と言われ、私自身もこの試験に絶対的な正解はないと思っていたので、その点は安心できました。また、先生は答案の形式面も重視されるので、ナンバリングの振り方なども参考になりました。
先生の個別指導を通して私の答案の型が定まったと思います。
また、論文試験とは関係ありませんが、口述試験の際にもお手伝いいただきました。予備校の模試とは少し異なり、コミュニケーションが取れているか否かを重視した練習をしてもらい、当日も考査委員とコミュニケーションを取ることを意識できたのは良かったと思います。
問題を解いていて気づいた自分の弱点は論点抽出能力の低さでした。
そしてその原因が論点についての知識不足に由来することは明らかでした(民訴の原告適格の判例を何一つ知らない、そもそも原告適格の定義も知らない、など)。
そこで、当時、網羅性最強と言われていたアガルートの重要問題演習習得講座を購入し、論文の次の日からすぐに学習を開始しました。
1周目は、問題を見る⇒軽く脳内構成(5-10分)⇒解答を見る、という流れで進めました。
そして一定数解いたら、もう1回それを解き直したうえで、問題文をスマホのメモに要約していきました。
要約の際は、細かい問題文の事情は無視し、問題を成り立たせるうえで核となる事情に絞って要約しました。この作業を通じて、なぜその論点を論じる必要があるのか、という点を強く意識することができました。
1日8~10問、1週間で1科目のペースで進めました。
また、もう一つ私が感じていたこととして、判例の知識不足でした。
憲法や民訴ではほぼ必ず「判例を参考にして」答えなさい、といった形式の問題が出されますが、いつも参照すべき判例を想起できず、筋の外れた答案を書いてしまっていました。
そこで、「判例」に強くなるため、アガルートの判例百選スピード攻略講座(渡辺先生)を受講しました。
使い方としては、講義を聞き、それを復習する問シンプルなものでした。
自作問題集のようなものは作らず、判例名を見て、①事案の概要、②論点抽出、③なぜそれが論点化するのか、④規範定立、⑤当てはめ時のキーワードを脳内反芻していました。
百選講座は判例の理解が深まったのはもちろん、渡辺先生の一貫した思考フローを体得することができるという点でも非常に有用な講義でした。
重問と判例百選講座を繰り返しこなし、徹底的に叩き込むことが令和5年の合格に繋がったのだと思います。
お前全然起案してへんやんけという声がそろそろ聞こえてきそうですが、伊藤塾のコンプリート論文答練を毎週解いていました。
これで定期的な起案の機会を作っていました。
重問と百選講座のおかげで論点抽出はできるようになったのですが、答練の点数は思ったほど伸びませんでした。
その原因は、規範の文言をあやふやにしか覚えていなかったことでした。つまり、論証を暗記しておらず、いつも現場で少しズレた規範を定立してしまい、その結果当てはめもズレてしまい…ということで点数が伸び悩んでいたのでした。
脳内構成は効率よく周回はできるのですが、1回1回の質はどうしても低くなりがちです。脳内構成の弊害が出てきてしまったということです。
とはいえ、予備校の論証をそのまま覚えるのは苦手だったので、自作論証集を作ることにしました。
といってもそんな大層な物ではなく、重問の規範+理由付けを、自分が使いやすいように改造しただけです。
意識したのは、①丸写しではなく、自分の言葉で書くこと、②理解できない部分や、必要性を感じない部分は削ること、です。
この作業を通じ、論証の正確性が大きく向上したのはもちろん、一個一個丁寧に論点と向き合うことができ、論点への理解が一気に深まりました。
答練でも30点以上を取れるようになり、実力が大きく向上しました。
この時点で合格水準の実力に達していたと思います。
なお、百選講座やシケタイでも同様に自作論証集も作成しました(重問と重複する論証は除きます)。
選択科目は前年の論文以来放置していましたが、そろそろやばいと思い、着手しました。
ここでは辰巳の選択科目特訓講座(経済法:西山先生)を受講しました。
各行為類型の考え方、当てはめのポイントを、司法試験過去問を題材に分かりやすく解説してくれる神講座でした。
講義を聞き、講義で扱った過去問を繰り返し解く、というオーソドックスな方法で学びました。
並行して、自作論証集を周回し、論証暗記を進めていました。
6月から短答対策を始めました。
やり方は前年と一緒です。
特に刑訴に力を入れました。刑訴のみマコタンに加え短パフェを追加しています。苦手だったのと、実務基礎の手続き問題(勾留や尋問、公判前整理手続)とのシナジーがあったからです。
その成果なのか、刑訴はかなりいい点が取れました↓

直前期は、本番に向けて知識を最大化・最深化すること(ピーキング)、答練・模試を通して本番での振舞い方を確立することを目的としました。
短答の勉強をしている段階から、空き時間を見つけて直前期の勉強をかなり綿密に計画していました。
まず、短答終了後の7月いっぱい(2週間ほど)使って、重問とは百選を1周し、知識水準を戻しました。
8月に入ってからは過去問演習です。起案はせず、答案構成のみで解きまくります(全年全科目2周ほど)。
土日は辰巳の直前答練・直前模試を受けました。起案の機会はこれだけと決めていました。
試験2週間前から重問と百選をダメ押しでもう1周し、加えてこれまでの答練を復習し、更にはシケタイももう1周しました。また、最後の週に論証を暗記しました。
職場の夏季休暇も全て勉強につぎ込み、ピーキングに努めました。
ここまで来たら気合と根性って感じで、仕事以外のすべての時間を勉強に詰め込みました。
それでもやりたいことを全部することはできませんでした(例えば、経済法の論点解析を十分に復習できないまま本番を迎えてしまいました)。
直前期の頑張りもあってか、本番は結構いい手ごたえでした。全部4枚目までいったし、全く分からないという問題は少なかったです。300~400番くらいで合格したのではないかという感触でした。
再現答案はこちらから見られますので、ぜひご覧ください。
結果は合格。

想像以上の好順位でびっくりしたのを覚えています。
以上、私が予備論文に合格に至るまでの経緯をざっくりとお話してきました。
合格までの2年強、一日たりとも勉強は欠かしませんでした。コロナにかかった日も勉強しました(数十分ほどですが)。
予備試験は、どんなにいい教材を使おうが、どんなにいい先生に教わろうが、自分で継続して勉強しないと絶対に受からない試験です。結局のところこれに尽きると思います。
辛く苦しい日々が続きますが、この記事を見て少しでもモチベーションアップに繋がれば幸いです。
個人的にすごいと思ったのは、一度不合格になってからの勉強時間です。働きなが平日4~5時間、休日は8時間というのはかなり多いと思います。35~40時間以上勉強されているのは、社会人受験生の中でもかなり多いのではないでしょうか。
むしどりさんも最後に仰っていますが、結局は自分が頑張るか頑張らないかが大事な試験です。我々個別指導講師は、そのサポートをするにすぎません。受験生自身の頑張りなしに合格は成し得ないと思います。
勉強方法もそうですが、試験との向き合い方についても非常に参考になったと思います!これを見て、皆様の参考になればとても嬉しく思います!
]]>この度、令和5年予備試験に論文10位台で合格された、むしどり@司法試験さんが、限定2名で個別指導を行うことが決まりました!
むしどりさんは過去に私の指導を受けていただいていた方で、今回個別指導のお手伝いをお願いしたところ、御快諾いただきました。
ただ、むしどりさんの御都合上、沢山の受講生を持つことは難しいので、今回は限定2名(今後増員の予定あり)で、募集をしたいと思います。
なお、今回の個別指導サービスは、司法試験受験生の方もご利用可能ですが、むしどりさん御自身は「司法試験にはまだ合格していないので、それでもよければ」と仰っていますので、その点ご了承ください。
なので、メインは予備試験の個別指導で、御要望があれば司法試験についてもご対応可という形になります。
基本的には添削した答案のフィードバックを受けるもの(口頭添削)とお考えいただければと思います。勿論、ご質問やお悩み相談も承ります。
カウンセリングの料金には答案添削分が含まれておりますが、含まれている答案よりも、多くの答案添削をご希望の場合には、1通当たり、予備試験対策であれば2500円(+税)、司法試験対策であれば4,000円(+税)追加料金にて対応いたします。
| 60分 | 4枚答案+答案添削1通 | 8,800円(税込) |
| 90分 | 4枚答案+答案添削2通 | 13,200円(税込) |
| 120分 | 4枚答案+答案添削3通 | 17,600円(税込) |
| 60分 | 8枚答案+答案添削1通 | 11,000円(税込) |
| 90分 | 8枚答案+答案添削2通 | 16,500円(税込) |
| 120分 | 8枚答案+答案添削3通 | 22,000円(税込) |
カウンセリングとは別で答案添削をしてほしい方にもご対応しますので、受講相談の際にお伝えください。
2025年12月まで
銀行振込もしくはPayPay
2名(状況に応じて増員あり)
※募集枠埋まりましたので現在募集停止しております。再度募集の際にはXで告知いたします。
以下のページの問い合わせフォームから「むしどりさんの講座の受講希望」と記載の上、お問い合わせください。
https://blog.izumiya-law.com/contact
その後メールにてやり取りをし、受講相談を実施いたします。その後受講開始という流れになります。
欠員が生じた場合など再募集の際には、再度X(旧Twitter)等にて、募集いたしますので、ご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひむしどりさんのアカウント(https://x.com/yobi_mushidori)をフォローしておいてください。
むしどりさんは、予備試験論文10位台合格ということでもわかる通り、非常に優秀な方です。それだけではなく、人格的にもとても魅力的な方なので、とても良い受験指導をしてくれると思います!
募集人数が少なくて申し訳ないのですが、「責任を持ってサービスを提供したい」というむしどりさんの想いを重視した結果ですので、ご理解いただければ幸いです。
貴重な機会ですので、皆様ぜひ個別指導の受講をご検討ください!
]]>なので、この試験の勉強の手の広げ方について、私なりの考えを紹介しようと思います。特に初学者の方は、どのように勉強していったらいいかわからないという方も多いと思いますので、ご参考になれば幸いです。
私の考えとして、インプット用の「ベーステキスト」を用意すべきである、というものがあります。
ベーステキストとは、司法試験用の教材を自分用にカスタマイズしたもので、それ一冊で重要な知識の確認や試験直前期の総復習に使用するものを指しています。
「ベーステキスト」については『司法試験勉強用ベーステキスト作成のススメ』を参照してください。
私は、勉強の手を広げる前に、このベーステキストを何回も読み、まずはそこに書いてあることをしっかりと理解し記憶することが大事だと思っております。
ベーステキスト以外に勉強の手を広げる一つのタイミングは、「ベーステキストに書いてある内容がイマイチ理解できない時」です。
世間には数多くの基本書・予備校本が存在しますので、特定の事項についての説明の仕方が違っている、説明の深さが違うということがあります。そのため、たまたま自分が持っている本にその事項の説明が不十分であることはあり得ることです。
この場合、当然他の本に手を伸ばすことになるので、勉強の手が広がります。
ここで注意が必要なのは、「ベーステキストの位置づけを変えない」ことです。なので、手を伸ばす本は「辞書的」なポジションになるようにしてください。
こういった本を1冊持っておくことは有益ですが、あっちもこっちも読んでしまうと、わざわざベーステキストを用意した意味がなくなりますし、情報が散逸してしまいますので、手を広げるにしても、「役割」を変えるのはお勧めしません。
なので、意識すべきは、辞書的な1冊はベーステキストの有用性を高める補助的なものに過ぎないということです。
上記の通り、2冊目の本は辞書的なものなのですから、網羅性が高い多少分厚いものをチョイスするのが良いと思います。
ベーステキストは、通読に向いている分量なので、どうしても足りない部分があります。
ただ、足りないから新しい本を読むのではなく、「足りない部分を補ってあげる」という意識が重要です。
このように考えると、ベーステキストでわからない事項に出会った時に、辞書的な本が活躍するわけですから、わからない部分だけを読めば足ります。
なので、例えば、図書館で借りる、等でもいいわけです。ただ、わからないことがあった時にすぐに調べたい!というのであれば、手元に置いておいた方がいいので、買うという選択肢もありだと思います。
以上のように、手を広げるときには、役割を意識してあげることが大事です。そうすれば、何冊もの本を持って、消化不良にならずに済みます。
そもそもベーステキストに載っている情報を正確に理解し記憶するだけでも、何回も読まないと無理だと思います。それだけでも十分な知識量になると思いますので、まずはベーステキストの読み込みを大事にする。
それでは足りない時に初めて、別の本に手を出す、つまり勉強の手を広げる、というスタンスが良いと思います。
同じテキストを何回も読まないといけないのは苦痛かもしれませんが、人間は忘れる生き物です。なので、繰り返さなければ身になりません!
苦しいですが、受かるためには必要な努力です!頑張っていきましょう!
]]>こんな私の初挑戦だった平成23年の司法試験は、短答落ちでした(208点で2点足りませんでした・・・)。
では、平成23年に短答落ちした私が、どうやって平成25年の予備試験の短答式試験に合格できたのか、また、平成26年の司法試験で、上位約10%で短答に合格できたのか、について少しご紹介したいと思います。
短答式がなかなか伸びないという方の参考になれば幸いです。
さて、この年は、短答に落ちたわけですが、理由は簡単で「過去問を全くやってなかった」ことです(笑)。
今考えればあり得ないですよね…。
逆に過去問を一切やらないで、良くここまで頑張れたなとすら思えます。
短答式に落ちていたことは、自己採点からわかっていたので、まずは、徹底的に過去問を解いてやろうと思い、短答式の過去問を全科目買ってきました。
これが6月初旬くらいです。
私は、少なくとも、9月までには短答式で合格点が取れるようにしようと思いました。
なぜなら、当時、合格発表が9月だったのですが、そこで落ちた人達は、来年自分が戦わないといけない人達であり、そこまでに自分も短答式で合格点が取れるようにならないと、同じラインに立てないと思ったからです。
つまり、合格発表までに短答合格者たちに追いつこうと考えたわけです。
さて、6月から9月までハムスターの如く過去問を回しました。7科目を7~8周したと思います。
その結果は…、230点位だったと思います。
率直な感想は「あんだけ短答やったのに20点かよ!」って感じでした。今考えればやり方に大きな問題があったんですけどね(これは後でお話しします)。
平成24年の司法試験は、総合2300位くらい、論文は2000位くらいでした。
そして、平成24年に合格したいつも一緒に勉強していた友人から「知識が足りてない」と言われました。
ここが転機でした。この一言で勉強内容を一から考え直そうと思いました。
まず変えたのは、ベーステキストを決めて、それを徹底的に読み込むことにしました。
「ベーステキスト」というのは一般的な言葉ではないかもしれませんが、司法試験受験生時代の私の周囲で使われていた言葉です。
司法試験用の教材を自分用にカスタマイズしたもので、それ一冊で重要な知識の確認や試験直前期の総復習に使用するものを指しています。
今までは、つまみ食いのような勉強でした。しかし、試験に必要な知識は、ベーステキストにあると気づき、これを徹底的に繰り返して読むようになりました。
ベーステキストについては、『司法試験勉強用ベーステキスト作成のススメ』で詳しく説明しています。
次に変えたのは、短答式の勉強へのスタンスです。
私見ですが、短答の勉強と論文の勉強は、そんなにキレイに切り分けられるものではありません。
詳しくは『司法試験の短答と論文の勉強 同じところ違うところ』で書きましたが、問われているのは、知識であり、知識自体は、短答も論文も変わらない、そう考えるようになりました。
そもそも、短答式の過去問「だけ」を解いていても、体系的な知識は身につきにくいということに、平成24年は気づきませんでした。断片的な知識がただただ積み重なっていくだけで、それがリンクしていませんでした。これが、平成24年の時の過ちです。
以上の経緯から、ベーステキストに載っていない短答で問われた知識(判例)や、演習書に書いてある試験に使えそうな知識等は、ベーステキストにどんどん一元化させていきました。別で百選は読んでいましたが、科目によっては、百選自体をベーステキストにしているものもありました。
これによって、ベーステキストを何回も読むことで、必要な知識に何回も触れることになり、知識が定着していきました。
短答の知識・論文の知識という切り分けはほとんどせず(短答プロパーがあるのは事実なので)、「合格に必要な知識」という大きな括りで、(短答プロパーの知識も含めて)知識を定着させていきました。
ちなみに、この1年で短答の過去問は1~2回解いたくらいです。
さて、平成25年の短答は、法令が150ちょっと、一般教養が27くらいで合格できました。
前年に予備試験に合格できたことから、自分の勉強方法は間違っていなかったと思えたので、引き続き、同じ勉強を繰り返していました。その結果、辰巳の直前模試では350点満点で300点を超える成績をたたき出すことができました。
そして、司法試験では、260点くらいで約上位10%で短答式試験を突破できました。
漫然と過去問を解いていても、点数は上がりません。上がるとしても、合格点までは届かないと思います(現実に過去問「だけ」で合格する人もいるとは思いますが)。過去問で解いて得た知識を有機的に一体化させる必要(体系的理解の必要)があると思います。
これを読んだ方は、「平成25年以降の成績上昇は、それまでの過去問回しがあったからでは?」と思う方もいると思います。もちろん、それは否定しません。あのハムスター作戦があったからこそ、断片的であっても知識を得ることができましたし、考え直すきっかけにもなったのですから。
しかし、これを読んだ皆さんなら、私がしたミスをしなくても、正しい過去問の使い方、インプットの仕方に辿り着けるわけですから、無思考で短答の過去問を解くということは避けられると思います。
点の知識から線の知識、さらには線の知識から面の知識へと知識を体系化していくということを意識しながら勉強することが大切です。
今回のやり方は、あくまでも私のやり方であって、手段の一つでしかありません。他のやり方も沢山あると思います。
ただ、闇雲に過去問を解くのではなく、情報を一元化するなり、過去問で得た知識を体系的に理解するなりして、合格に必要な知識を習得することが目的なので、一つのサンプルとして参考にしてもらえればと思います。
これを読んで、一人でも参考になったという方がいたら、幸いです!
]]>そこで、今回は過去の予備試験短答式試験のデータを基にして、令和5年の試験が今までの試験と比べてどう評価されるのかを考えてみたいと思います。
法務省の公開しているデータをExcelでまとめてみたので、元データを参照したい方はそちらも確認してみてください→Excelファイルをダウンロード
令和5年の短答式試験の合格率は20%でした。
これは、平成26年の19.5%、平成23年の20%と同程度のものです。これにより、令和5年で13回目となる予備試験の中でも、トップレベルに低い合格率であることがわかります。
令和5年の短答式試験の合格点は168点でした。
これは、平成25年~27年の170点に次ぐ高い水準です。
また、平成25~27年の全体平均点は平成25年から、139.5点・137.3点・138.7点である一方で、令和5年は134.5点です。これは平成25~27年の全体平均点から3~5点程度低い数字です。にもかかわらず、合格点は168点と2点しか低くありません。
このように、平成25~27年と比べると、全体平均点はそこまで高くないにもかかわらず、合格点が高いことがわかります。
令和5年の全体平均点は、134.5点でした。この点数と近い全体平均点の年というと、平成24年の134.7点、平成28年の134.6点となります。
ではこの年の合格率はどうだったのかを見ると、平成24年が23%、28年が23.2%と、令和5年の合格率より3%程度高いことが分かります。
また、平成24年・28年ともに合格点は165点と、今年より3点合格点が低いことが分かります。
このように、令和5年の全体平均点からすると、合格率が低く、合格点は高いことが分かります。
令和5年の短答式試験は、一般教養の平均点が高いことも話題になりました。そこで、一般教養の平均点という観点からも少し見てみようと思います。
まず、令和5年も含めた13年分の一般教養の全体平均点は25.8点です。意外と高いですね!
この全体平均点よりも高かった年は、平成24年の27.2点・平成26年の31.5点・平成27年の28.1点・平成30年の27.9点、そして令和5年の28.4点があります。
次に、令和5年以外の年で、令和5年の合格率・合格点を上回っている年を見ると、平成26年しかありません。
また、全体平均点を見ても、平成30年は、131.1点と全体平均点は令和5年よりも低いです。
このように、一般教養の平均点が高いからといって、必ずしも合格率の低下や合格者の低下を招くわけではありません。
これらから考えると、確かに、令和5年の合格率の低さ・合格点の高さに一般教養が影響していることは否定できませんが、例年の成績から考えると、それだけではないように思えます。
近年の傾向を見ると、平成30年から令和3年までの合格率は、低くても平成31年の22.8%であり、平成30年・令和2年は23.8%で、平成30年~令和3年までの合格率は23~24%程度と4年連続で高い合格率となっています。
また、上記4年間の合格点も156~162点と高くありません。
しかし、令和4年は合格率が21.7%と下がっており、令和5年は20%となっています。
これは、令和4年から受験生が2000人ほど増加したことに起因すると思います。また、受験生が増加しても、合格者の数はそれほど変化がありません。令和3年から令和4年で100人程度増加したにとどまります。これと対照的なのは、平成29年から平成30年で2299人から2661人と300人以上増加している点です。受験生の数はそれほど増加していないにもかかわらず、これだけ増加しています。
そして、令和4年から令和5年は、受験生が増加したにもかかわらず、合格者が150人ほど減少しています。
ここからわかるのは、司法試験委員会は、受験者数が増加したとしても、一定数以上は合格させないというスタンスをとっているということです。また、上記4年間と令和5年での短答合格者をどの程度にするのかというスタンスも異なっているように思えます。少なくとも、合格者を増加させようというスタンスではなさそうです。
これは、法曹養成コースが出来たことや在学中受験が可能になったことで、ロースクールに人材を流したいのかなと考えることもできると思います。また、採点委員の添削可能通数とも関係しているのではと考えます。
以上、過去のデータから色々と考察してきましたが、少なくとも、令和5年の合格者の減少・合格率の低さは一般教養だけが原因ではなく、司法試験委員会が予備試験合格者を無暗に増やそうとしていないということも起因しているように思えます。
ただ、受験生としては、13年間のデータとして、一般教養の平均点が25.8点ということを重く受け止めるべきだと思います。つまり、一般教養も6~7問は正解し、法令で150点程度とれは、かなりの確率で合格できるのです。
令和5年の結果は、「一般教養で点数を取らないといけない」ことを意味するのではなく、「法令でしっかりと150点以上を確保することが重要である」ことを意味するのだと思います。
]]>そこでそのときの経験も踏まえつつ、今回はゼミ形式について、個別指導と比較しながら少しご紹介します。
今回お話しする集団指導は、私が普段行っているような、「事前に受講生に課題を検討してきてもらい、ゼミ内で質疑応答しながら解説していく」という、いわゆる「ゼミ」です。
もちろん他にも、講師だけが話す講義型であったり、講師はあくまで進行役に過ぎず、受講生が中心になって話を進めていく型であったりすると思いますが、今回はこれらについては話しません。
ゼミ形式のメリットを簡単に挙げると、次のような感じになります。
他にもあると思いますが、一先ずこんな感じでしょうか。
まず、勉強仲間ができるというメリットがあり、このメリットはとても大きいと思います。2番目に挙げたメリットとも絡んでくるので、併せて説明します。
多くの社会人の方、或いは、学生だけど周りに司法試験を目指している人がいない方。この2つのパターンの受験生に共通しているのは「勉強仲間がいない」ということです。
勉強仲間がいないと、競争相手もいませんし、答案を書いても比較対象がいません。つまり、自分が今どれくらいの位置にいるのかわからないのです。
これは、個別指導を受講しても払拭できません。講師が比較対象になることはないからです。
野球の大谷選手がWBC決勝のアメリカ戦前、「憧れだけでは超えられない。」という趣旨の発言をし、注目を浴びました。多くの受験生にとって講師は超えるべき存在ではありません。故に、講師を比較対象とし、講師を超えて合格しようという受験生は少ないと思います。
ただ、それが勉強仲間ならどうでしょう。同じ目標を持ち、切磋琢磨する存在であれば、比較対象になりますし、自分よりも上であれば、超えよう、または肩を並べたいと思えると思います。そういった存在がいることにより、一人で勉強しているだけでは生まれない「競争心」も生まれるようになり、勉強のモチベーションになります。
また、同じ目標も持ち努力している者同士だからこそ、不安や悩みを共有できますし、相談することもできます。この試験に挑戦していない人に、この試験の不安や悩みをわかってもらうことは、どれだけ仲が良くても難しいと思います。
私のゼミでは、学年指定がありませんので、大学1年生もいれば4年生、ロー生もいます。大学1年生からすれば、上級生から学ぶことは沢山あると思います。上級生も1年生から基本的な姿勢を学び直すきっかけになるかもしれません。
なので、勉強の進捗状況が異なる受験生が同じ教室にいても切磋琢磨することが出来るのです。その結果、お互いを高め合うことも可能になります。当然ですが、同級生同士でも同じことがいえます。
これが1つ目と2つ目のメリットです。
最後に、3つ目のメリットについてですが、上でお話しした通り、私のゼミには勉強の進捗状況が全く異なる受験生が同じ教室にいます。
そのような中で質疑応答すると、当然いろいろな考え方が出てきます。また、私がある受講生の答案を参考答案として配布すれば、自分以外の受講生の答案を見ることが出来ます。
色々な考え方に触れ、また、他人の答案を知ることによって、講師以外から多くのことを学ぶことが出来ます。
ゼミ形式のデメリットとしては、次のようなものが考えられます。
1つ目のデメリットですが、メリットのところで紹介したものは、ゼミを積極的に利用する結果得られるメリットです。積極的に発言し、人の意見に耳を傾け、良い部分を吸収する、いずれも積極性から生まれるものです。
逆に、受け身で、ただ聞いているだけ、講師の言っていることを何となく聞く、これでは、ゼミ形式のメリットを享受できません。なので、こういった姿勢ではゼミの効果は十分に得られないと思います。
また、2つ目のデメリットについてですが、自分は理解していないけど、周りの発言等から、なんとなくわかった気になってしまうリスクがあることです。
皆さんの中にも、「友達と勉強していて、わかっている友達から話を聞いて分かった気になって家に帰って復習しようとしたら、何もわかっていなかった」という経験をしたことがある人は、それなりにいるのではないでしょうか。
わかった人の話を聞き講師の質疑応答が進んでいくと、その時は何となく理解した気になるけど、実際は理解していないってこと、少なくないと思います。
私は、現在もゼミを持っていますので、個別指導とゼミの両方に携わっています。
両者をみると、両者は排他的な関係にあるわけではなく、相互でメリットとデメリットを補完し合う関係にあると思います。
なので、可能であれば両方を上手く使っていくのが良いと思います。
ゼミ形式の学習で大事なのは、積極性です(もちろん個別指導でも積極性は大事です!)。
基本的に司法試験の受験指導を受ける場合、指導のレベルを決めるのは受講生です。積極的に講師にアタックしていくことは非常に大事です。
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