大学生やロー生は、そろそろ夏休みに入る時期だと思いますが、受験勉強に専念できるこの時期をどう過ごすかは、とても重要です。
そこで今回は、「司法試験受験生がどのように夏休みを過ごしたらいいのか」について、少し触れたいと思います。
夏休みで達成する司法試験勉強の目標を設定する
いくら夏休みが大事だからといって、闇雲に勉強してもあまり効率の良い勉強にはなりにくいので、まずは、「夏休みを使って何を達成するか」ということを決める必要があると思います。
何を達成すべきかを考えるにあたっては、自己分析が重要です。
自己分析を前提として、弱点を補強するのか、短答重視にするのか、論文重視にするのか等々、人それぞれ目的を設定することが、効果的な勉強への近道です。
なので、まずは自己分析をしっかりとして、夏休みで何をすべきかを決めるべきです。
夏休みの司法試験勉強計画を立てる
夏休みは、基本的には課題や授業といったものがないので、比較的どれくらいの勉強時間を確保できるか読めると思います。
なので、やるべきことを決めたら、そこから逆算して、全体でどれくらい、10日間でどれくらい、1日でどれくらい勉強すれば目的を達成することができるかを計算して、勉強計画を立てましょう。
例えば、全科目の百選をつぶそうと考えたら、全部でいくつの判例を読まなければならないのかを把握して、自分の可処分時間と相談して、1日にいくつの判例をつぶせばいいのかを確認し、それに沿って勉強を進めていくという感じです。
司法試験の勉強計画が崩れたら速やかに修正する
勉強計画というのは、往々にして、その通りにいかないものです。
まずは、ここを忘れないようにしましょう。即ち、最初に立てた勉強計画は崩れる可能性が高いということを理解しておきましょう。
そんなことならば、敢えて勉強計画を立てる必要なんてないじゃないかと思われるかもしれませんが、重要なのは、夏休みに何時間勉強したかではなく、「何をしたか」なのです。
何ら勉強計画を立てずに漫然を勉強すると、効率の悪い勉強しかできずに貴重な夏休みが終わってしまうリスクがあります。
なので、まずは目標を設定し、その目標を達成するためにはどうしたらいいのかという計画を立てるのが重要なのです。
そして、最初に立てた勉強計画が頓挫した場合には、最初の計画に拘らずに、それを放棄して、新たに勉強計画を再度立てるようにしましょう。
コツは、1日単位の勉強進捗の目安だけでなく、3日間や1週間や10日間といった中期の進捗の目安をあらかじめ設定しておくことです。
こうしておくことで、1日単位で勉強の予定が狂ったとしても修正しやすくなります。
また、計画どおりに勉強するのが苦手な人や、少し計画が崩れてしまうだけで一気にやる気がなくなってしまうような人は達成しやすい目標にするなど、自己分析を前提に、人それぞれの好みや性格に合った方法を選ぶのがいいと思います。
ロー生へのオススメは司法試験論文問題の起案の重点強化
今年ローに入学した教え子達から話を聞くと、入学前に比べて起案の回数が圧倒的に減ったという声を耳にします。
起案の機会が減れば、書くスピードも落ちますし、論文の実力全体が低下するのは明らかです。
起案も結局のところ、トレーニングに過ぎませんから、トレーニングの機会が減れば、力が落ちるのは当たり前のことです。
しかしロースクールの授業もありますし、時間のかかる論文問題の起案の時間を取るのも難しい面があるでしょうから、まとまった時間を取りやすい夏休みこそ、意識的に起案の機会を増やすべきでしょう。
ここで注意しておきたいのが、起案の勉強では、「書いた答案を必ず信頼できる人に見てもらう」ということです。
このブログでも何度も言ってきていますが、自分の答案に内在している問題は、自分自身では気づけませんので、単に書くだけではなく、信頼できる人に答案を見てもらえる環境づくりも大切です。
最後に
繰り返しになりますが、大事なのは「何時間勉強したかではなく、何をしたか、何を達成したか」です。
目標を設定し、その目標を達成する手段として、勉強計画をしっかりと立てて、納得のいく夏休みを過ごしてください。
もっとも、長い司法試験勉強には、上手に息抜きすることも重要なので、勉強の効率を上げるためにも、メリハリのついた計画を作り、実行できると、夏休みが有意義な時間になるのではないでしょうか。
コメント