「司法試験や予備試験、またはそれ以外の法律系の資格試験にチャレンジしたい。でも、どこから手を付けたらいいのかわからない」という方は多いと思います。
そう思ってTwitterやネット等で情報を取得しようと思うと、膨大な情報量に触れ、どれを参考にしたらいいのかわからないという状況に陥ってしまう方も少ないと思います。
そこで今回は、私が考える「初学者の勉強方法」についてご紹介したいと思います。
なお、今回は司法試験・予備試験にチャレンジする方向けの記事になっていますが、他の資格試験でも、通用する方法だと思います。
まず、大きく分けると、
- 司法試験予備校を利用する方法
- 司法試験予備校を利用しない方法
の2つがあると思いますので、今回はこの2つについて紹介したいと思います。
司法試験予備校を利用する場合
司法試験予備校を利用する場合は、基本的には、予備校が用意しているカリキュラムをこなしていけばいいと思います。
ただ、予備校と一口に言っても、現在は多くの予備校があり、さらにその予備校の中でも色々なコースがあります。
まず、予備校選びに関しては、今は各予備校がサンプル講義等を用意しているので、それを参考にするのがいいと思います。
ちなみに、司法試験・予備試験の予備校選びに関しては、『司法試験予備校を使うメリットについて 』で紹介した、『司法試験予備試験 予備校 比較【申込特典あり】通信講座8校の受講生レビュー』が、とても丁寧で、かつ細かく予備校の比較がされています。
さて、予備校では基礎講座から入ると思いますが、ここはあまり時間をかけずに、ドンドン進みましょう。これは、結構多くの方が主張されていますが、ちゃんと理由があります。
それは、「人は忘れる生き物」だからです。
例えば、憲法→民法→刑法と基礎講座を聞き終わった時、憲法のことをどのくらい覚えているでしょう。恐らくほとんど覚えていないと思います。
でもそれが当たり前なんです。「人は忘れる生き物」なのですから。なので、繰り返すことが重要です。
司法試験基礎講座オススメ受講法
基礎講座受講の初回は、「へ~、こんなものがあるんだな~」位でいいと思います。無理に全部理解しようとするよりも、前に進めていくことが大切です。ただ、復習は少しだけ頑張りましょう。
そして、わからなかったところに付箋でもいいので印をつけておきましょう。そうすることで、2回目勉強する際に、どこがわからなかったのかが把握できるので、メリハリづけになります。
また、六法は、ポケット六法でも何でもいいので、こまめに引くようにしましょう。これ、意外に大事です。習慣化してください。
もう一つやってほしいことが、「その日に勉強した部分についてアウトプットをする」ということです。
具体的には、短答式の問題を解いてほしいのです。
この目的は、正誤ではなく、「自分が学んだ知識がどのように問われているのか」を知ることです。これを知ると、インプットをする際にアウトプットを意識することが出来るようになると思います。
そして、無事に基礎講座を1回聞き終わった時点では、上でも言った通り、多くのことを忘れています。
なので、2周目の学習に進みます。
これは、基礎講座自体を聞き直しても、テキストだけで勉強して、わからないところだけ講座を聞くというのでも、どちらでも構いません。
ここからは、アウトプットもより本格的に開始しましょう。アウトプットの素材は短答式の過去問で構いません。
このステージからは、正誤についても意識してください。
正誤について意識する際に大事なのが、単に合っていたか否かだけではなく、理由までしっかりといえるかという点を特に意識してください。
ここからは、インプットとアウトプット両方行うようにしてください。この二つは車の両輪なので、同時並行してやっていきましょう。
後は、これをひたすら繰り返すだけです。
予備校基礎講座初回まとめ
大事なのは、
- 基礎講座1回目は、ドンドン進める。
- やった部分の短答式を解いてみる。
- 2周目からは、インプットとアウトプット両方行い、アウトプットの成果も求めていく。
- 1~3をひたすら繰り返す
ということだと思います。
ここで「論文については?」と思う方もいると思いますが、それはまた別の記事でご紹介しますので、お楽しみに!
司法試験予備校を利用しない場合
予備校を利用しない場合は、基本的に独学ということになると思いますが、最初にぶつかる問題としては、「どの本を読んだらいいのか?」ということだと思います。
おそらく、いきなり受験生の多くが使っている予備校本や基本書等にチャレンジすると、挫折してしまう可能性が高くなります。
なので、これらの本への橋渡しの役割を果たしてくれる本から読み始めるのが良いと思います。具体的には、分量がそこまで多くなく、初学者に配慮された薄い本がいいと思います。
個人的にお勧めなのが、弘文堂から出版されている「伊藤真監修/伊藤塾著 ファーストトラックシリーズ」です。
伊藤塾と言えば、「シケタイ」が有名ですが、初学者にとっては、シケタイは情報量が多すぎて、ついていけません(私もそうでした)。
それに比べて、ファーストトラックシリーズは、具体例が多く、初学者にわかりやすい工夫が所々に散りばめられており、とても良い本だと思いました。
また、演習問題のセレクトも国家試験等からの出題で、必要以上に簡単ではない点も評価できます。
他にも、伊藤塾からは入門シリーズが出ていますが、ファーストトラックシリーズの方が、初学者には優しいと思いました。もちろん好みがあると思いますので、ご参考までに。
独学の進め方
さて、読むべき本が決まりました。そこからは、実は予備校を利用した場合とほとんど同じです。
つまり、多少わからないところがあっても、印だけつけておいて、ドンドン読み進めていく(細かい用語の意味などは、1回目は「ふ~ん」位でいいです)。
六法をこまめに引くことは、上と同様です。繰り返しになりますがこれ、大事です!
ただ、一点だけ注意が必要なのは、「読んだ部分の短答式を解いてみる」というところでは、自分が読んでいる本やテキストには載っていないことが基礎講座に比べると多いです。
これは、本格的なテキスト・基本書を読むための本という性質上、致し方ないところです。
それでも、「自分が学んだ知識がどのように問われているか」ということを把握するという目的は達成できると思います。
それは、自分が読んでいる本で解ける問題も必ずあるからです。なので、載っていない点については「今後はこんなことも学ぶのか」位のスタンスでいいです。
独学学習法まとめ
一通り初学者向けの本を読んで、何となくその法律の全体像がわかるようになったら、初学者向けの本から本格的なテキスト・基本書に切り替えましょう。
ここでまたしても立ちはだかるのが、「何を読んだらいいの?」という問題です。これに関しては、「司法試験勉強用ベースノート作成のススメ」で紹介した「素材にする司法試験用テキストの選び方」の部分が参考になると思います。
また、同記事において、テキストの加工方法も紹介していますので、参考にしていただければ、幸いです。
以上から、
- 初学者向けの本を1回読む。
- 読んだ部分の短答式を解いてみる。
- 必要があれば、もう1回読んで理解を深める。
- ベーステキストを読む。
- 読んだ部分の短答式を解いてみる(この段階から、インプットとアウトプット両方行い、アウトプットの成果も求めていく)。
- 4~5をひたすら繰り返す。
論文については、上の通り、別の機会に紹介します!
最後に
今回、予備校を利用する場合としない場合と分けて紹介してみましたが、本質的な部分は変わりません。
「人は忘れる生き物」であることを前提に、「ひたすら繰り返す」ということです。
あとは、六法を使って条文を引くことを習慣化することですね。何度でも繰り返します!これ、大事です!
今回紹介したのは、あくまでも私が考える勉強方法なので、合わない方もいるかと思いますし、異論もあると思います。それでも、司法試験・予備試験にチャレンジしようとしている方の一助になれれば、嬉しい限りです。
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