司法試験の短答と論文の共通点を知って効率良く学習しよう

司法試験の勉強法

司法試験(予備試験)の受験指導をしていると、受験生の方から「短答と論文の対策は別々にやった方がいいか?」という質問を受けることが多く、実際に短答対策と論文対策をかなりはっきりと切り分けてそれぞれ勉強している方も多いです。

そんな受験生の方々を見ていると、パッと見は同じように司法試験の短答対策と論文対策を別々にやっているように見えていても、学習効率に大きな差があるようです。

学習効率の良い人と悪い人。いったいどのような差があるのでしょうか。

学習効率が良い人は共通の土台となるような知識習得をしている

もちろん学習効率には様々な要因が絡むため、何かひとつだけが理由というわけではないのでしょうが、私から見る限り、「知識の習得の仕方の違い」というのが大きな要因になっているように見えます。

何が違うかと言うと、学習効率が良い人は、短答式にも論文式にも使えるような形で知識を習得しているということです。

たしかに短答プロパーの知識もありますし、短答と論文では知識の使い方は違うのですが、必要になる知識は多くの部分で共通しています。

少し具体的に説明すると、例えばある判例について勉強するときに、学習効率の良い人は、まず判例の趣旨やロジックを押さえます。

そうすることによって、短答式の肢が判例に照らして正しいのか間違っているのか判断することもできるし、論文式において判例について論述することもできます。

一方で学習効率があまり良くない人というのは、短答式の肢に出てきた判例の規範を暗記し、論文式で問われた論点の論証パターンを覚えるという作業から入りがちです。

もちろんこのような勉強方法でも知識は増えていきますし、絶対にダメというわけではないのですが、枝葉よりも幹となるような部分の知識の習得を優先するという意識を早めに持っておくと、後々大きな差になってきます。

知識習得のポイント

このように、司法試験の勉強をするときには、幹となるような知識の習得を意識することで、効率の良い学習ができるようになります。

ここから少し捕捉として、試験を意識した知識習得のポイントを紹介していきます。

穴を作らない

知識の習得において、まず大切なのは「穴を作らない」ということです。

司法試験は、選択科目を入れると8科目、予備試験の論文は、基本7科目に実務基礎2つ、選択科目を加えると10科目にもなる、とても出題範囲が広い試験です。

ですが、合格のためにはどの科目も一定以上の点数が必要になりますので、知識に大きな穴がある状態で合格することは難しいです。

知識のメリハリを意識する

穴のない広い範囲の知識が必要だからといって、すべての範囲について深い知識を習得するというのは多くの人にとっては現実的ではありません。

試験との関係では、必要に応じて、「穴とまでは言えない浅い知識」で良いものや、「重要性が高く深い理解と正確な知識が必要」なものなど、優先順位・メリハリをつけることが重要です。

優先順位の指標としては、司法試験予備校などがつけているランクを参考にするのもいいと思います。

まとめ

私は、司法試験が知識偏重の試験だとは思いませんが、最低限の知識だけでもかなりの量になるため、繰り返し同じものを読み、条文を引き、判例を学ぶという「非常につまらなく、地味な勉強」が必要になるのは間違いありません。

真夜中に調査官解説を読んで悦に浸っているような勉強ではなく、ひたすら繰り返すという勉強が大事です。

だからこそ効率の良い知識習得というのが重要になってきますので、「幹から枝葉へ」という意識は早い段階から心がけておきましょう。

このような地味でつまらない勉強に、いかに主体的に取り組めるか、少しでも自分にとって面白いものにできるかといった工夫も大事になると思います。

どうか、皆さん、最後までやり切って、この試験を突破しましょう!

司法試験の勉強方法については『司法試験初学者の勉強方法』も参考にしてみてください。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

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