事案を処理するという意識。

司法試験・予備試験
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学生の答案を読んでいると、中に論点だけ書けばいいと勘違いしている答案が散見されます。

これは、その学生が「論点」という知識が問われているという意識で論文を書いているからだと思います。論点さえ書けば点数が上がる、評価の高い論文になるという潜在的な意識があるのだと思います。

しかし、少なくとも、現行の予備試験ないし司法試験は、論点を知っているか否か「だけ」で合否が決まるということはあり得ません。なぜなら、現行の予備試験ないし司法試験で求められていることは「事案を処理する」ことだからです。

論点というのは事案を処理するためのツールに過ぎません。つまり、ある事案をどのように処理するかについて、一定の判断基準(規範)が必要で、その判断基準の部分が論点なのですよね。論点は手段で、事案を処理することが目的です。

にもかかわらず、論点だけを書けばいいと思っている学生は、目的を見失っています。これでは良い答案は書けません。もちろん予備試験は司法試験に比べれば問題文も短いので、論点(法律論)の比重が高くなるのは確かですが、事例問題が出ている以上、その事案を処理することが求められていること自体は変わりません。

事案を処理するのが最終的な目的であるということを忘れないでください。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

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