今回は短答式の過去問の位置づけについて。
今年予備試験に合格された方からお話を伺ったとき、「予備試験の短答式に受かるために、過去問を解くか、ベーステキストを読み込むか、どちらかしかできないとしたら、先生はどちらを選びますか?」という質問をされたので、私は迷うことなく「ベーステキストの読み込み」と答えました。
ところが、その合格者の方は「過去問」と答えてもらいたかったようでしてw その合格者の方は、短答式試験における過去問の重要性を訴えたかったようです。
私自身、短答式の過去問は10回程度回しました。
なので、私も過去問自体はやっております。また、短答式試験においては、過去に問われた知識を別の形で聞いてくるといったこともありますので、その意味では、短答式試験に合格するためのツールとしては、過去問は非常に重要でしょう。
しかし、短答式試験に合格するために一番必要なことは「知識の網羅性」です。浅くても構いませんので、広く穴のない知識を習得しておくことが必要です。
そういった意味では、今までの過去問で問われていない知識を習得することはできませんので、どうしても穴が出来てしまいます。もちろん、今まで問われていないのだから重要性は低いと判断することもできますが、出題可能性がゼロと言えない以上、無視することはできません。
もっとも、過去問を徹底的にやることで、短答式試験に必要な知識自体は習得できると思いますので、勉強時間が限られている方は過去問に力を入れるといいと思います。
ただ、結局は、過去問を解いて、解説を読んで、その解説にある条文にあたることや判例を学習することで、知識が身についていきます。なので、結局は「~だけをやればいい」といったものではなく、過去問を勉強の中心に置いても、小手先の勉強に終始することなく、その解説に書いてあることを正確に理解するためにも様々なものを利用するのが、王道かつ近道なのではないでしょうか。
過去問を何周回したかが重要なのではありません。その過去問をしっかりと解けることが重要なのです。ここを履き違えないようにして下さい。
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