受験者層からみる予備試験

司法試験・予備試験
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今回は予備試験を受験者層から考察してみたいと思います。

予備試験受験生は、大きく分けると1.専業受験生2.非専業受験生の2つに分かれます。

専業受験生とは、受験勉強だけしていればよい受験生で、ロースクール生やロースクール修了生で仕事をしていない受験生、大学卒業後、仕事をしないで受験生活を続けられている方が含まれるでしょう。

他方、非専業受験生は、仕事やアルバイト、あるいは主婦の方など、受験勉強だけしていればよいのではなく、その他のこともしなければ生活していけない人だとイメージしていたければ構いません。難しいのは大学生ですが、ロースクール生に比べると、純粋に受験勉強だけをしていればよいという訳ではない(語学やゼミの活動等)ので、1と2の中間位でしょうか。

さて、次に、合格者が一番多い属性はというと、これは確証も裏付けもありませんが、恐らく上位ロースクールの既修2年生やロースクールを卒業した修了生だと思います。実際、修習に行った際にも、上位ロー卒業の人で予備試験に合格していた人はかなりの数いました。

逆に、大学生や社会人の合格者は合格者の中でも少数派だと思います。これは、何を意味するかといえば、専業受験生の方が圧倒的に強いということです。まー、当たり前といえば当たり前なのですが。以上のことを前提とすると、大学生や社会人の方が予備試験に合格するためには、専業受験生に比べれてより大変ということになります。まー、これも当たり前のことですが・・・。

予備試験に合格するためには、その合格に見合った勉強の量と質が必要です。専業受験生の一番の強みは、「量」というものを確保しやすいという点です。だからこそ、多少の質の低さも量でカバーできるという強みがあります。

他方で、非専業受験生は受験勉強の時間を確保することが難しいので「量」の確保が困難となりますので、勉強の質が悪いと量でカバーすることが出来ない結果、上手く勉強の成果が出ないことが多いです。したがって、まず非専業受験生は、勉強の「質」をあげるということを意識しなければなりません。

では、「質」の高い勉強とは何なのか。それは、①集中力と②小手先の勉強をしないで、網羅的に体系的で有機的な知識を身に着ける勉強を心掛けるということではないでしょうか。

1については、勉強時間が短い分、その間は高い集中力をもって勉強をしなければならないということです。

2については、結構色んな方のお話を聞くと、何となく小手先感が否めない勉強をしているなと思うのです。例えば、短答式について、過去問「だけ」で対応しようとするとか、論文式も論パを丸暗記する等、その場しのぎの勉強をしているお話をよく聞きます。

短答式の過去問を解くということは、マストな作業ではあると思いますが、それ以前に、網羅的な知識を身につけなければ、過去問で得た知識にしか対応できません。王道的な勉強ですが、自分が使っているベースのテキストを読み込んで、知識を得ることが重要です。

詳細については、改めてどのような勉強方法をすればよいか紹介しますが、ともかく、短答式の過去問だけやるとか論パだけ丸暗記するとか、そのような小手先の勉強ではなく、王道的でつまらない勉強かもしれませんが、ベースとなるテキストを何度も何度も読み込んで、条文と論点がリンクしていて、ある知識とある知識を対比出来たりと、基礎力をしっかりと短時間の中でも、集中して身に着けることが大切です。

非専業受験生であっても、やることさえやれば、必ず合格できます。時間がないとか色々な言い訳が出来てしまう分、試験に向き合うということ自体難しいとは思いますが、言い訳はしないで、頑張って下さい。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

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