何ができて何ができないのか。

司法試験・予備試験
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予備試験・司法試験ともに短答式試験の発表も終わり、結果によってこれからしなければならないことは人によって違うと思うのですが、その時に一番しなければならないのは「自己分析」です。自己分析をするときに意識しなければならないのは、「今自分に何ができて何ができないか」ということです。

受験生が行う自己分析というのは得てして「自分のできないことは何か」ということに終始してしまいますが、自分に何ができるかということを認識することも必要です。

なぜなら、既に自分ができることについて勉強することよりも出来ないことを優先的に勉強しなければならないからです。

私の修習同期のある人は、3回受験して、短答式は毎回8割以上とれてたけど、2回目までは総合が5000番台だったという人がいました。その人は最終的に300番台で合格したのですが、合格した年は短答式の勉強なんてほとんどしてなかったと言っていました。

この人は、短答は出来るけど論文はできないという自己分析をした上で、論文に全力を注いで合格したわけです。このような一見大胆に思われる勉強方法をすることが出来たのは、「自分は短答式はできる」ということがわかっていたからです。このように、自分ができることを明確にすることにより、より自分ができないことが鮮明化するのです。

以上のことから、皆さんがしなければならないことは、次の通りです。

まず目標を設定する。その目標と自分の位置を確認する。その目標を達成することとの関係から、「今自分に何ができて、何ができないか」を明確にする。その上で、今できないことをできるようになる勉強をする。

このように書いてみると、すごく当たり前のことですが、毎回失敗する受験生はここができていない人が非常に多いです。

人はどうしても出来ないことよりも出来ることを勉強したがります。それは、そっちの方が楽な勉強だからです。出来ない事を出来るようになるということはとても大変なことなのです。でも、そこを頑張らないと一生目標を達成することができません。

同じ失敗を繰り返すということは、しっかりと自己分析できていないことを意味します。失敗することが悪いのではありません。失敗したのに、それを顧みないで自己分析もしないで、前と同じ勉強方法を漫然とすることです。失敗した時こそ自分が成長するチャンスなのです。

失敗した時にしっかりと自己分析・敗因分析をして、同じ失敗を繰り返さないためにも、「今何ができて何が出来ないのか」をしっかりと把握することが成長する上で一番重要なのです。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

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