久々の投稿となります。今回は、今年からローに入学した学生から、多くの質問を受ける、「ロースクールでの予習と復習」について、私なりの意見を述べさせていただきます。
予習はあくまでも予習
前提として、皆さんに理解してもらいたいのは、「完全な予習」は存在しない、ということです。
予習とは、「まだ教えられていないところを、前もって勉強すること」ですので、完全な予習というのは、まだ教わっていないところを、完全に理解するまで勉強することということになってしまいます。
まだ授業で教わっていなくても完全に理解するまで勉強したのであれば、授業に参加したとしても自分がわかっていることをただただ聞くだけですので、その授業を受ける意味がありません。
では、どれくらいの予習が適切なのか、ということが皆さんにとって興味の的になると思うのですが、個人的には「その授業で自分がわからないところをあぶりだす」程度でいいと思います。
それだけでも、自分だけでは十分に理解できなかった点にフォーカスしつつ、メリハリをつけて集中力を保ちながらその授業を受けることができますので、漫然と授業を受けるよりもはるかに効果的な学習ができます。
なので、予習のレベルとしては、授業内容を確認した上で、自分なりに少し調べて、ここがわからないというところにチェックを入れる程度でいいと思います。
質疑応答について
これに対しては、「質疑応答で答えられなかったらどうするんだ!」ということを思われる方もいらっしゃると思います。
ただ、授業は何を持ち込んでもいいのですから、仮にわからないところについての応答を求められたとしても、該当箇所が書かれたものを用意すれば、最低限の応答はできます。
むしろ、「教科書にはこのように書かれているのですが、私としては、この点が理解できませんでした。」と答えることにより、もしかしたら先生がわかりやすく説明してくれるかもしれません。
個人的な経験になりますが、私がロー生だった時に、とある試験委員の先生の授業がでわからないところについての質疑応答を求められた際には、現場で考え、「私はこのように考えます」と答えると、先生から誘導され、少しずつ先生が求めている答えに近づいていき、最終的に適切な応答が出来たという経験があります。
なので、わからないのであれば、わからないなりに自分で考えるというのも一つだと思います。これは、本試験でわからないことが問われた際にも使えると思います。
したがって、質疑応答への対応を心配して必要以上に予習に時間を割く必要はありません。予習は、自分がわかる所・わからないところの確認程度でいいと思います。
予習よりも復習が大切
次に復習についてです。
どの勉強にも共通しますが、予習よりも復習の方が大事です。しっかりと復習をして、その授業で扱った問題を正確に理解することで、その問題を自分のものにすることが重要です。
なので、予習よりも、復習に時間を使うようにしましょう。
また、ロースクールの授業の中には、司法試験と直結しない授業もあります。皆さんの目的は、あくまでも司法試験に合格することなのですから、このような授業に時間をとられ過ぎるのはよくありません。
こういった授業については、あくまでも学期末の試験で単位が取れればいいという程度で考えて、あまりこういった授業に力を入れ過ぎないようにしましょう。
なので、予習と復習も必要最小限にとどめ、なるべく時間をとられないようにしてください。
私自身が受験生の方にゼミで質問をする際、常に完璧な応答を求めているわけではありません。
質問の目的は、「ここは基本的なところだからしっかり答えてほしい」といったものや、「その人がどう考えたのかについて知りたい」といったものや、「これはすぐに適切な回答は期待できないだろうから、やり取りの中で理解を深めて欲しい」といったもの等、様々です。
ですから、質問する側も目的があって質問しているということも意識できるといいと思います。
まとめ
以上が、ロースクールにおける予習と復習に対する私なりの考えです。
もちろん、ロースクールや置かれている状況によって、様々かと思いますが、大事なのは、あまり予習に時間をかけないで、復習に時間をかけて、しっかりと理解することが重要という点です。
これはどのような状況においても変わらないと思いますので、この点を意識してみてください。
新しい生活に慣れない中、色々と大変かもしれませんが、ここを乗り越えれば、今大変な生活が当たり前の生活になると思います。なので、諦めないで頑張ってください!
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