今年の成人式は「はれのひ」で晴れ着のレンタルを注文したのに、着物が届かない新成人が相次いだというのが大きなニュースとなりました。
この被害にあった新成人の方々は本当に災難だと思いますし、一生で一回の晴れ舞台ですので二度と取り戻すことが出来ない被害に遭われたことを思うと、さぞ無念だったことでしょう。もっとも、このような事件は、本件だけに止まらず、様々な所で起きています。
そこで、どうしたらこのような事件が無くなるかということを考えてみると、まず、事前規制として経営状態の悪い企業の営業活動を禁止する措置を取ることが考えられますが、このような措置は憲法が保障している営業の自由との関係で問題となる可能性が大きいです。
また、経営状態が悪いというのは極めて抽象的で判断が難しいので、立法府や行政府の事前規制では規制しにくい問題です。
また、事後の救済として司法府による救済、つまり裁判による解決が考えられますが、経営状態の悪い企業に賠償金を支払えるだけの視力があるとは思えません。そうすると、裁判による救済も難しいと思います。
そうすると、国が何らかの形で被害者を出さない或いは被害者救済をすることは難しいということになります。従って、消費者が今までよりもより注意深く契約を締結する必要があります。
確かに、消費者は企業に比べて法的知識に乏しく、一定の保護が必要で、そのために消費者契約法といった法律もあるのでしょう。しかし、消費者が「自分達は法的知識に乏しいから、保護されて当り前だ」といった意識でいると、今回の事件が起きた時に泣き寝入りせざるを得ない状況に陥りやすくなってしまいます。
なぜなら、法律上は請求出来ても、その債権を本当に回収できるか否かは債務者にその債務を履行できるだけの資力があるか否かにかかっているからです。なので、このような被害に遭わないためにも、契約に際しては常に最大限の注意を払い、調査できるものは出来る限り調査するといった姿勢が必要でしょう。
専門家ではないことは契約をするに際して十分な注意を払わない理由にはなりません。特に高額な契約に関しては、より細心の注意を払うことが、今回のような事件の被害者にならない一番の対策なのではないでしょうか。
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