短答式試験に向けて

司法試験・予備試験
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予備試験の短答式まで50日を切りました。いよいよですね。ただ、まだ慌てるような時間ではありません。しっかりと準備すれば、今多少実力不足でも、突破できる可能性は残されています。

1 短期間で伸びやすい科目は?

短期間で点数が伸びやすいのは、時間対効果の高い科目をいいます。つまり、勉強の成果が短答式試験の結果に反映されやすい科目のことをいいます。

そのような観点から、チョイスすると、民法の親族相続部分・民訴あたりでしょうか。後は憲法の統治部分も短期間で伸びやすいと思います。短期間で伸びやすい科目の特徴は、「素早く広く浅く勉強すれば対応できる」科目ということです。例えば、憲法の人権は、範囲や案外広い割には、百選に載っていない箇所から出題があったり、3点問題は3つの肢すべての正誤を正確に判断しなければならないため、案外勉強時間と結果がリンクしません。

これに対して民法の親族相続は条文問題が多いので、ある程度読み込んでいけばそれだけで満点取れる可能性があります。民訴も、百選レベルの判例知識と条文知識で、十分対応できる上、百選も一冊だけですし、条文数もそれほど多くなく、条文の仕組みもシンプルで読みやすいので、勉強しやすいと思います。なので、時間対効果は高いと思います。

憲法の統治も、人権に比べると正誤の微妙な選択肢が少なく、比較的勉強した分が返ってくる部分だと思います。

2 短期間勝負に向かない科目は?

他方、刑法・刑訴もしっかり勉強すればある程度安定した点数が取れる科目だと思いますが、短期間で網羅的に復習するのは結構大変です。特に刑訴は、条文数がかなり多いので条文問題に対応するのに素読するのは結構骨が折れます。

刑法は、短答プロパーの部分を勉強するのは重要ですが、短答プロパーの分量が結構多いので、点数に現れるかどうか微妙な部分がありますので、時間対効果が高い科目とはいえないと思います。逆に、ある程度この2科目の勉強が進んでいる人は、本番でもある程度安定した点数が取れると思いますので、他の科目の勉強をした方が最終的には点数が伸びると思います。

行政法も百選と条文で何とかなりますが、そもそも大学生の段階で行政法の理解が進んでいる学生の方が少ないでしょうし、そのような状態で百選と条文を読んでも、何が何だかわからないという事態に陥る危険性があるので、初学者の方は、薄いテキストで構わないので、一度テキストを素早く通読してから、百選と条文を勉強するのが良いと思います。もっとも、行政法は百選掲載判例だけでも相当な数がありますので、短期間で行政法の点数を伸ばすのは簡単ではないと思います。

会社法は、条文数が多く、条文問題が多いので短期間で点数を伸ばすのには向いていません。商法・手形小切手については、案外穴場で、知識の量が少ない割に比較的出題があるので、薄いテキストを一冊通読し、条文を一回素読すれば、案外伸びる可能性は秘めていますが、いかんせん馴染みのない所なので、結果的に良く分からなかったで終わってしまう可能性が高いので、短期間で勝負するのは若干怖さがあります。

結局は、自分の勉強がどこまで進んでいるのか、苦手分野はどこか等にによるのですが、一点注意が必要なのは、短期間で点数を伸ばすというのは、短期間で「広く浅く」知識を網羅的にインプットするということですから、当然ある程度の勉強時間は覚悟しなければならないでしょう。

3 一般教養について

一般教養について、特別勉強する必要はないと思いますが、適性試験での出題と被るような論理操作の問題や読解力の問題については、考えれば取れる問題ですから、この辺りはしっかりと取りたいところです。その他にも、英語は、よく読めば何となく正解がわかったり、日本史や世界史の問題も、ある程度の教養があれば、正解がわかったりしますので、最後まで諦めないことが重要です。

4 最後に

現状で短答式試験の合格をするだけの力がないと思われる方、上記で示した科目を中心に勉強するのも重要ですが、上記の記載も十分な勉強時間が取れるということが前提になっています。その上で時間対効果が高いと私が思う科目を挙げさせて頂いただけですから、勉強時間が少なくても、合格できると誤解しないでください。

最後まで諦めないで、短答式試験合格に向けて一生懸命頑張って下さい。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

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