法律という学問の勉強と、司法試験・予備試験の勉強とは異なる部分があります。したがって、法律を勉強していても、それがイコール試験勉強であるとは限りません。
試験勉強の目的は試験に合格すること
試験勉強というのは、言うまでもなく、試験に受かるための勉強です。
なので、現場でなにをすることが求められているのかというところから逆算して勉強内容が決まってきます。
他方、法律の勉強というのは、極端なことをいえば、一つの判例について徹底的に深堀することも法律の勉強に含まれますが、こんなことをしていては、なかなか試験は突破できません。
案外ここを意識できていない人が多いように思えるのですが、勉強によって得た知識は、事案を処理するための「ツール」に過ぎないにもかかわらず、その知識に振り回されている受験生は結構多いように思えます。
知識がツールであるとすれば、そのツールの使い方がわからないと使いようがありませんし、どの場面で使うものなのかをわかっていなければ、適切な場所でそのツールを使うことはできません。
司法試験で求められるものは
つまり、知識は、自分が事案を処理する際に必要な限度で押さえておけばよく、また、幅広い試験範囲に対応するために、広く習得しておかなければなりません。
ゆえに、司法試験の勉強は「広く浅く」ということが求められているのです。
もちろん、特定の判例の深い理解を問う問題が出題されることもあります。しかし、出題の趣旨としては、深いところまで勉強してきてほしいということではなく、その判例の基本的な部分を理解して来てくれれば、あとは現場でその知識を「使って」少し応用させることが求められていることも多いと思います。
また、現実的にも、数年間で司法試験の合格に必要な知識やスキルを身に着けようと思った場合、そこまで深堀はできないはずです。
そうすると、法律の勉強をしているからといって、それが試験合格のための勉強とは限らなくなってくるのです。
重要なのは、現場で何をするかということから逆算して、今できる準備をしておくということでしょう。それが受験勉強です。法律の勉強をしているからといって、それが必ずしも試験の合格のための勉強ではないことを認識したうえで、自分の勉強内容を再確認してもらいたいです。
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