思考を書き飛ばさないこと

司法試験・予備試験
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今回は、思考を書き飛ばさないことについて、少しお話しさせて頂こうと思います。

常々、論文は順序立てて丁寧に書いて下さいと申しておりますが、この意味は、「自分がなぜそれを書こうと思ったのか」という自分の思考を答案上に表現する際に、その思考を飛ばさないで書くということです。

皆さんが論文式の問題を読んだときに、法的論点に気付いて、結論はこうなると考えるはずです。その時に、なぜその法的論点が問題となるのか、なぜそのような結論と考えたのかについて、皆さんなりの考えがあるはずなのです。

例えば、「Aという事実があって、これはBと評価できるから、Cといえる。」という思考が必ずあるのです。ここまでしっかりした別れ方はしてないかもしれませんが、ある事実を見て、この事実があるということはこうだろうという思考があると思います。その思考を順序立てて正確に答案に表現しなければ、自分がその問題をどう考えたのかを採点者に伝えることはできません。

ただ、得てして、自分の思考というのは、自分の中では当然のものになってしまい思考を順序立てて答案に示すということを忘れがちになってしまうのも事実です。なので、思考を書き飛ばさないことは意識しないと出来ない事です。

答案に書いてあることしか、評価の対象とはなりません。

したがって、自分の思考を採点者に伝えるためには、自分の考えを書き飛ばすことなく丁寧に表現していかなければならないのです。このようにすると、ダラダラと書いてしまうリスクもあります。

だからこそ、端的に自分の考えを表現することが重要なのですが、それは簡単なことではありません。トレーニングが必要です。しかも、自分の思考を順序立ててコンパクトに表現することを意識しながらトレーニングをする必要があります。

せっかく皆さんが頭を悩ませて考えた「思考」なのですから、伝わらないのはもったいないです。どうやったら伝わるか、どうやったらわかりやすく伝わるかということを考えるのも大切ですが、その前に、自分の思考を余すことなく相手に伝えることをまず意識されると、良い答案が書けるようになるのではないでしょうか。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

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