下4法。

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さて、今年の予備試験の短答式試験の科目別の平均点を見ると、憲法・民法・刑法(以下「上3法」)と行政法・商法・民訴法・刑訴法(以下「下4法」)の間で平均点に差がある傾向にあることがわかります。平均点は以下の通りです。

【上3法】
憲 法 16、7点
民 法 16、3点
刑 法 17、3点

【下4法】
行政法 12、4点
商  法 14、3点
民訴法 13、1点
刑訴法 15、3点

このように、上3法の方が下4法よりも平均点が高い傾向にあることがわかります。特に行政法については12、4点と特に低く、下4法の勉強が進んでいないことがここからわかります。

今年の合格点が160点で、一般教養科目の平均点が24、5点ですので、160点から24点を引くと136点なので、法令だけで136点取らないといけないと仮定すると、1科目当たり19~20点程度取らないといけません。もっとも、予備試験の短答式試験には足切りがありませんので、7科目のうち、何科目で高得点が取れれば、他の科目で多少低い点数を取っても合格できます。

とはいえ、下4法の勉強がほとんど進んでいない状況では、中々合格は難しいと思います。一般教養科目は対策をしている人はほとんどいないと思いますので、一般教養科目の点数は読めない部分があります。そうすると、一般教養科目よりもより司法試験に直接的に関係し、ある程度計算ができる法令科目である程度点数を取ろうと思うと、下4法でもある程度の点数を取る必要があります。

もっとも、平均点がこのようになっているということは、多くの受験生が下4法を勉強する余裕がないことも推認されるわけで、「下4法も勉強してください」と言っても、アドバイスにならないように思えます。そこで、時間的に余裕がない中でどのように勉強したらよいかについて、簡単に触れたいと思います。

まず、一番手っ取り早いのは、予備校の基礎講座を受講することです。予備校の基礎講座を受講して、過去問を解き、条文を丁寧に読めば、それだけでも大分違うと思います。ただ、お金がかかってしまいます。

次に、過去問を解くという選択肢が考えられますが、下4法の十分な基礎知識もないのに、過去問だけ解いて知識を入れようとしても、知識が断片的にしか入らず、網羅性に乏しくなってしまう恐れがあります。

なので、過去問を解くにしても、基本的知識を入れないといけません。そこで、薄くて読み切れると自分が思うテキストを一読すれば、ある程度の基本的な知識は習得することができます。その上で余裕があれば百選を読んで、過去問を解けば、ある程度の点数は取れるようになると思います。もっとも、商法は、時間対効果が悪いので、これだけである程度の点数が取れるようになるとは思えませんが・・・。

短答式試験で一番重要なのは、知識の網羅性です。知識の網羅性を求めようとすると、どうしてもある程度の時間がかかってしまうのはやむを得ません。なので、どうしても可処分時間が足りないという方は、過去問を解くだけでも構いません。

恐らく多くの受験生は、下4法について、ほとんど勉強しないで短答式試験を受験していると思われます。なので、過去問を解いてから受験するだけでも大分違うと思います。過去問を解く際には、解説に載っている条文と判例にできるだけ当たるようにすることが重要でしょう。

長々と書いてしまいましたが、下4法の勉強もある程度やらなければ予備試験の短答式試験は突破できないということです。

昨日の投稿とリンクさせれば、上3法はある程度出来るけど下4法は全然できないのであれば、まずは下4法から着手するべきでしょう。勿論上3法の得点を伸ばすことも重要ですが、多くの方は下4法の点数が良くないと思いますので、嫌なのは理解出来ますが、下4法の勉強に着手して来年の短答式試験に備えましょう。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

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