来年の司法試験に向けて。

司法試験・予備試験
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今日は今年予備試験を合格されて来年の司法試験を受験される方の勉強方法についてお話しようかなと思います。

まず、予備試験合格者の中でも濃淡があるのが選択科目対策でしょう。選択科目については、ロー在学中に予備試験合格された方はある程度選択科目の勉強が進んでいると思うので特に問題ないと思うのですが、選択科目の準備をしていない合格者の方はまず選択科目選びから始める必要があります。

さて、選択科目選びが終わると、いよいよ選択科目の勉強を開始しなければなりませんが、ここで重要なのは、基本7科目の勉強や論文を書くトレーニングを怠らないことです。

もちろん、限られた時間の中で選択科目の勉強を優先することは重要ですが、その他のレベルも落としてはなりません。また、短答式に関しても、予備試験は一般教養含めて8科目あるので、一つの失敗を他科目でフォローできますが、司法試験は3科目なので、一つの科目の失敗を取り戻るのが予備試験に比べて難しくなりますので、3科目の精度をしっかりと高めていく必要があります。

さらに、司法試験と予備試験だと論文の答案枚数が違いますし、問題文の長さも司法試験の方が長いですので、長文問題にも対応できるようにしておく必要があります。

そういった意味では、司法試験の論文式試験の過去問を検討するのはマストな作業だと思います。ただ、司法試験の過去問といっても10年以上(×8科目分)のボリュームがありますので全てを答案として書くことは非現実的でしょう。

もちろん、その時間があるのであれば答案という形にして、誰かしらに添削してもらうのが一番だと思います。しかし、選択科目や短答式の対策、知識漏れの防止等することがたくさんあることから考えると、全てを答案化するのは現実的ではありません。

そこで、まず直近の司法試験から検討しましょう。なぜなら、直近の司法試験の方が今の司法試験のトレンドが反映されているからです。

次に、その検討方法について、答案構成だけでいいと思います。もっとも、これは8枚の答案を書くことに慣れている方です。慣れていない人は、8枚の答案がどのようなものかということについてのイメージがないので、まずはそのイメージを掴むことから始めましょう。

答案構成をする際には、自分が答案を書くスピードも勘案して、「実際に答案構成にどのくらいかけられるか」を考えながら時間を決めてやるのが良いと思います。せいぜい30~40分程度だと思われます。

答案構成をした後、その年の出題趣旨と採点実感を読みます。ここで重要なのは、聞かれている論点が何だったのか、どの論点が問われているのかを把握することではありません。

重要なのは、その出題趣旨と自分の答案とのズレがどれくらいあるのか、かなりのズレがあるとすれば、そのズレはなぜ生じたのかということを考えましょう。

知識不足なのか、問題文を正確に把握できていないのか、理由は様々でしょうが、その理由を特定することが重要です。採点実感は、試験委員が「何をして欲しくて何をしてほしくないのか」ということを把握して、自分が実際に試験に臨む際には、採点実感に書かれていたやってはいけないことはしないで、してほしいと書いてあることをするようにしましょう。そういった意味では、採点実感は、論文式試験の取扱説明書です。

このように、予備試験に合格された後は、司法試験まで全力疾走で駆け抜けなければ間に合いません。なので、発表前はその全力疾走に耐えられるだけの準備運動をしっかりとしておきましょう。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

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