本日は昨日の記事の中にあった「王道的な勉強方法」について書きたいと思います。なお、これから書く勉強方法はあくまでも私が思う王道的な勉強方法であって、勉強方法は人それぞれですし、実際にこんなことしなくても合格した方もいらっしゃると思いますが、あくまでも私見ということで、参考にして頂ければと思います。
まず、自分に合ったテキスト(基本書も含みます)を探して、それを何度も通読します。テキストについては今世の中には多くの司法試験向けのテキストがありますので、周りの人や合格者等の意見も聞きながら、選ぶのが良いでしょう。
一点気を付けなければならないのは、あくまでも通読するのですから、通読できないほど厚いものは向きません。自分がこれくらいなら通読できるかなというテキストを選んで、それを何度も何度も読んで、知識を習得していきましょう。人は忘れる生き物ですから、何度も読まなければ知識は定着しません。なので、繰り返し読むことが重要です。
テキストを通読する際、自分が何の為にテキストを読んでいるのかということを意識してください。論文では、テキストで学んだことを答案に表現しなければなりませんから、テキストを読む際には、テキストを読んだ知識を答案に表現できるようにするということを意識しながら読まなければなりません。その方法としては、テキストに線を引くでもいいですし、そのテキストから論証を自分で作るというのも一つでしょう。
大事なことは、知識を得るというのはあくまで「手段」であって、「目的」はその知識を論文で表現することです。ですから、例えばテキストにある論点に関する記載があった場合には、その論点について、答案上に表現できるための工夫をする必要でしょう。
また、テキストを読む際には、その横に六法を置いて、テキストで条文が出てきたらその条文にあたるという作業を怠らないでください。その都度条文を引くことで条文に触れる時間が増えますので、短答式の際に必要な条文知識の習得にも役に立ちます。
余裕がある方は、その日に読んだテキストの範囲の短答式の過去問を解いてみると、知識の定着具合が確認できたり、自分が得た知識がどのような形で聞かれているのかがわかるので、非常に有効です。
また、情報の一元化という作業も必要です。基本的に日々の勉強で使用するのは、ベースのテキスト・六法、後は判例百選です。判例百選には、その解説も含めて受験生にとって非常に有益な情報が掲載されていることがありますが、その情報をベースとしているテキストに書き込んだり、縮小コピーをして貼り付けたりして、ベースとしているテキストに情報を一元化することにより、最終的にはそのテキストだけ読めば必要な情報が載っていることになります。
また、短答式の過去問を解いていて、ベースのテキストに載っていない情報があれば、それもテキストに一元化してください。このように、情報を一元化することにより、ベースのテキストさえ読めばOKという状態になりますので、勉強の効率が上がります。
このように、インプット作業を行った上で(若しくはしながら)、短答式については過去問を解きましょう。論文式については、早くから始めるのであれば、基本的な演習書を使って、答案を書いてその答案を信用できる他人に見てもらいましょう。最初から論文を上手く書ける人はほとんどいません。何通も何通も書いて、漸く司法試験の答案らしい答案が書けるようになります。最初は辛いかもしれませんが、諦めないで何度も何度もトライしてください。参考答案がついてるような演習書の場合は、最初は参考考案をただ書き写すだけでも勉強になります。
論文については、最初は出来る人の答案をまねることから始めましょう。そうすれば、何となく答案の枠組みがイメージできるようになるはずです。その段階になれば、今度は自分なりにイメージしている枠組みを参考に自分で答案を書いてみましょう。そして、それを信頼に足る他人(出来れば合格者)に添削してもらい、修正をすることを繰り返すことで、徐々に答案がそれっぽくなってくるはずです。
以上、長くなりましたが、これが私が考える王道的な勉強方法です。大事なことは、単に短答式の過去問を解くだけであったり、しっかりと知識も入れずにただただ論文を書くなどという勉強ではなく、基本的理解をしっかりと正確にインプットする、インプットした知識を使えるようにする、地味で退屈な勉強をどれだけ出来るかということだと思います。インプット作業は「手段」であって「目的」ではないことも併せて、参考にして頂ければと思います。
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