短答式は過去問を解くだけで大丈夫??

司法試験・予備試験
Pexels / Pixabay

ある学生から、短答式の対策は過去問や肢別を解くだけでいいのでは?という質問を受けました。この質問に対対する答えとしては、YESでもありNOでもあると思います。

YESの部分は、短答式対策として過去問を回すことはマストな作業といえるので、短答式の対策として過去問を解くことは必要でしょう。個人的には、肢別は、途中で挫折するリスクが高く、知識が断片的に入ってきて、それぞれの知識が一体として入ってこないので、あまりお勧めしません。

では、NOの部分は何か。それは、原則として、過去問「だけ」やればいいというものではありません。なぜなら、司法試験や予備試験の過去問も大分ストックがたまりつつありますが、それでも、未だ出題のない分野や条文というものがあります。また、過去問「だけ」勉強した人間は、その問題の問われ方である知識を得ることになりますので、同じ知識について聞いているにもかかわらず、問われ方が異なると正解に辿り着けない可能性があります。

つまり、過去問「だけ」やっていても、知識を体系的かつ網羅的に習得したことにならないのです。したがって、過去問「だけ」では短答式試験の対策として不十分です。予備試験の場合、一般教養を除いても、法律科目は7科目もあり、その7科目について網羅的な知識を有していなければなりません。とすれば、短答式の対策として一番重視すべきは、「知識の網羅性」であり、広く浅く知識を有している必要があります。そのためには、前回のブログで紹介したベースとなるテキストを読み込み、百選をつぶし、条文を丁寧に引くということが重要だと私は考えます。

もっとも、時間がなく、上記勉強ができないという方は、例外的に過去問を解くことで短答式対策をするのが良いと思います。その際には、短答式の過去問をあたかもベースとしてのテキストのように扱い、条文と百選を上手く使って、なるべく穴のない知識の習得に努めてください。そのためにも、出来れば年代別ではなく体系別の過去問を使うのが良いと思われます。ベーステキストを読み込むという作業を過去問を解くということで代替するイメージです。そうすれば、合格点をとることは可能かと思われます。

予備試験の短答式で重要なのは、「知識の網羅性」です。広く浅くを心掛けてください。基本的な知識の習得さえできていれば、十分突破できると思うので、時間のある方ない方、それぞれに合った勉強をして頂ければと思います。要は、知識の習得の方法の違いであって、網羅的な知識を習得できればよく、そのためにはベーステキストの読み込み等の勉強方法の方が知識の穴が少なくなるので、このような勉強方法を推奨しました。ただ、時間のない方向けとして、過去問だけの勉強方法でも、一つ一つ丁寧に解いて解説の知識を習得すれば、ある程度の網羅性は担保できると思いますので、ベーステキストの代わりに過去問を使い、百選と条文をつぶしていくという勉強方法をすれば何とか合格点は取れると思います。

また、予備試験は短答式の点数が論文に持ち越されませんので、ギリギリでも合格できればそれでOKという点が司法試験と圧倒的に異なる所なので、その辺りも考慮して勉強方法を決めるのもいいかもしれません。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

ナオをフォローする
司法試験・予備試験
ナオをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました