2022年の予備試験の論文試験から、一般教養科目が廃止され、代わりに選択科目が導入されることで、ロー生でない予備試験受験生も選択科目を勉強しなければならないことになりました。
また、従前通り、ロー経由を想定している方や、ローに入った方も選択科目の勉強をしなければなりません。
しかし、選択科目を勉強する以前に、どの科目を選択するのかで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、選択科目を選ぶうえでのポイントを紹介しようと思います。
もっとも、私自身、全ての選択科目に触れたことがあるわけではないので、あくまでも、選択する際の「指針」のようなものを示したいと思いますので、参考になれば幸いです。
前提として、現状の選択科目の状況について確認しておきます。
法務省が発表している、『令和3年司法試験受験状況(https://www.moj.go.jp/content/001349964.pdf)』によると、労働法が頭一個抜けており、経済法・知財法・倒産法と続いています。
選択科目を必要な知識量で選ぶ
選択科目は、科目間で必要な知識量がかなり違います。
私は、労働法選択だったのですが、かなりの知識量が求められました。倒産法も、知識量は多い方だと思います。
それに比べて、経済法・国際私法といった科目は、比較的求められる知識が少ないです。
以上から、「選択科目にそんな時間を費やしたくない!」という方は、求められる知識量が少ない科目を選ぶといいと思います。
もっとも、求められる知識量が少ないということは、差が付きにくく、高得点が狙いにくい(相対評価されてしまうから)ことを意味していますので、その点に注意が必要です。
教材の充実度で選ぶ
例えば、労働法・倒産法といったメジャー科目は、教材(基本書や予備校本)が充実していますが、マイナー科目になると、教材の充実度がかなり低くなります。
教材の充実度は、勉強のしやすさと強く関連してきます。
もっとも、マイナー科目も、現在は、予備校の講座が用意されていたり、「これさえやっておけば」という教材もありますので、ある程度はカバーできるかと思います。
通っているローの特色で選ぶ
ロースクールには、特定の選択科目に力を入れていたり、特定の選択科目の試験委員がいたり、特定の選択科目で有名な教授がいたりと、選択科目について特色があります。
こういった場合、当該選択科目については、情報量・試験対策といった点で、他のロースクールより優れておりますので、ご自分が通われているロースクールの特色を生かすのも一つです。
興味がある、または自分に合った科目を選ぶ
個人的に、一番重要だと思うファクターが、自分が興味を持てるか、自分に向いているかです。
よく、実務に出た後に使うかといった話がありますが、どの科目も、事件が来れば勉強しなければならないので、実務に活かせるかといったことはあまり考えずに、自分が勉強したい科目を選ぶのが良いと思います。
興味があるか、自分に合っているかを確認する方法は色々と考えられますが、時間があるのであれば、各科目の薄い本を一読(ななめ読みでも構いません)するのがいいと思います。
時間のない方は、司法試験の過去問を全科目見ることで、興味が湧いてくるか、自分に合っているか、ある程度把握できるので、そういった方法もおすすめです。
私自身はどう選んだか
参考までに私が選択科目をどう選んだかについて紹介しておきます。
私は労働法を選択したのですが、私が労働法を選んだ理由は、ロー在学中に、法律に詳しくない友人から労働法についての相談を受けたからです。
ロースクールに通っていると、それだけで法律のことについて相談されることを経験している方も少なからずいると思います。
その時に、私が労働法を少しリサーチしたときに苦でなかったこと、今後もロースクールに在学している間に労働法についての質問があるかもと思ったことなどから、労働法を選択しました。
前述の通り労働法は求められる知識の量が多いため、かなりの量の勉強をしましたが、最終的には上位10%以内に入り合格できたので、結果的には良かったと思っております。
最後に
選択科目も、他の科目と同様、100点の配点がありますので、決して手を抜くところではないですが、他方で、基本7科目についての勉強に力を入れたいというジレンマの中で勉強しなければなりません。
だからこそ、個人的には、興味のある自分に合った科目を選ぶのが、一番いいと思っております。
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