受験生の答案を読んでいると、原則論から論じてほしいのに、いきなり修正から(例えば民法94条2項類推適用の論点で、類推適用から書き始めてしまう)論じてしまう答案を見ることがあります。
これは、案外実力者でもやってしまうことで、「類推適用のことが聞かれている」とすぐにそこから書き始めてしまうということは案外やってしまうミスです。
原則論には触れておく
ただ、こういった話をすると、「原則論をしっかり書いたら、もっとコンパクトでいいと言われた。」とか、「長々と書くべきではないとコメントをされたのだけれど、それでも書かないといけないの?」という疑問を抱く受験生もいるのではないでしょうか。
ここで注意が必要なのが、上記の指摘は「原則論を書くべきではない」ということではありません。「長々と論じるな」という指摘なのです。
なので、コンパクトに書けばいいのです。原則論をコンパクトに示した上で、原則論による不都合性を指摘し、修正(類推適用)の話に入っていくと、問題の所在を明らかにしながら、論じることが出来、理解を示すことが出来ます。
原則から修正へ
司法試験にしろ、予備試験にしろ、時間と紙面には制限があります。
仮にこのような制約がないのであれば、原則論を長々と書いても問題ないでしょう。しかし、問われていることはあくまでも、修正論(類推適用)の話なのですから、そちらに紙面を割くべきでしょう。
そうすると、紙面と時間に制約がある試験においては、原則論にはコンパクトに触れられればOKです。
やはり、原則論から論じるという姿勢は重要です。そうしないと問題の所在が明らかになりませんので。
しかし、長々と論じる必要はありません。端的に論じて問題の所在を指摘出来ればそれでOKです。
論文式試験全てにおいて言えることですが、書くべきことは何なのか、それはどれくらい書くべきなのか、ということを常に意識しながら答案構成をして論文を起案すると、良い答案になるのではないでしょうか。
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