なぜそれが問題となるのか。

司法試験・予備試験
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さて、本日は、論文の問題提起についての投稿です。

多くの学生の答案を読んでいると、問題提起の段階で、「なぜそれが問題となるのか」という点を上手く表現出来ていない答案がとても多いです。問題提起の部分は、具体的事案から法的な論点を抽出することが求められています。

ここで重要なのは、問題文に載っている事実は具体的な事実ですが、法的な論点自体は抽象論なので、なぜその法的論点を問題とするのかという点を上手く論述しないと、そこだけ「浮いてしまう」ということです。

なので、具体的事実を上手く使って、抽象的な法的な論点を導きだして法的な論点が浮かないようにしなければなりません。

そのためには、なぜそれが問題となるのかということに注目してみるといいと思います。

例えば、刑法の因果関係が問題となる場合、ある人の行為と結果との間の因果関係が認められるかが問題となるわけですが、なぜ因果関係を問題としなければならないのかということを具体的な事実から考えてみると、具体的な事実と抽象論である法的論点を上手くつなげられると思います。

考えられるのは、行為と結果の間に誰かの行為が介在していたり、本人が想定しえない因果経過を辿った場合等、様々考えられますが、その点について一言触れられてあるのとないのとでは、問題提起の説得力に大きな影響を生じさせます。

気をつけなければならないのは、読み手に「論点だから書いたのでは」という疑念を抱かせないことです。そのためにも、問題文に示された具体的な事実を上手く使って問題提起をするようにしましょう。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

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