予備試験論文までの勉強について。

司法試験・予備試験
obsidianphotography / Pixabay

昨日は、予備試験受験生の今後の過ごし方について、投稿させて頂きましたが、今日は論文式試験に向けて、どのような勉強をしたらよいかについて、書かせて頂きます。

1 インプットについて

予備試験の短答式試験で合格推定点に近い点数を取れている方は、ある程度の知識を持っている方々だと思います。その意味では、新たに入れなければならない知識というのは、それほど多くないかもしれません。

しかし、短答式で求められている知識と論文式で求められている知識は若干異なります。短答式は、ある選択肢の正誤を判断出来る知識があれば問題ありませんでしたが、論文の場合は、その知識を論述出来なければなりません。なので、既存の著名で基本的な論点についてはある程度論述出来なければならないので、そのための準備をしておく必要があります。

このような違いから、少なくとも、規範とその規範となる理由について論述出来るようにしておく必要があるでしょう。恐らく今から論証例等を自分で作る時間はないと思いますので、今まで自分が勉強のベースとしてきたテキストや基本書で広く浅く確認していく作業が必要だと思います。

インプットをする際に、意識してほしいのは、ある論点があった時に「なぜこれが論点となるのか」という論点の出発点を把握するということです。これが出来ていないと、具体的な問題文から論点を抽出できません。なので、ただ単に論証を丸暗記するのではなく、なぜこれが問題となるのか、なぜこのような規範になるのかということを常に考えながらインプットしておくことが重要です。

2 アウトプットについて

今まで短答式の対策に時間を取られて、中々論文を書けなかった方は、ある程度書いて論文に慣れる必要があります。なので、インプットと並行してアウトプットもしていくべきでしょう。

ある程度書いてきた方はインプットに比重を置いてもよいと思うので、答案構成だけでも大丈夫だとは思いますが、余り論文を書いてこなかった方は、書くということ自体に慣れる必要があります。それは、言葉の使い方、時間配分の仕方、上手く問題文から論点を抽出する方法等は、実際に具体的な問題に触れて論文を書かなければ身についてこないからです。

ちなみに、私は、予備試験に合格した年には、使う接続詞、文章の流れは完全に決まっていて、後は自分が作った「型」に問題の事情等をパズルのようにはめていくだけでした。そこまでの時間はないにしろ、自分がおよそどのような論文を書くのかということはイメージとして持っておくとよいでしょう。

3 最後に

いずれにしても、論文までの残りの日数を考えると、ともかく時間がありません。なので、日々の時間を大事にかつ効率的に使わないと、とても間に合いません。

ある程度の勉強時間は覚悟するべきでしょう。しかし、折角短答式に合格できる可能性があるのに、論文の準備をしない等ということはとても勿体無いことですし、論文式試験を受験できれば、最終合格の可能性もゼロではありません。

自分で掴んだチャンスを活かすためにも、最高の準備をして、試験に臨んでほしいと思います。頑張ってください。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

ナオをフォローする
司法試験・予備試験
ナオをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました