司法試験、予備試験の論文試験における事実評価の理由

司法試験・予備試験
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こんにちは、ナオです。

よく映画や本の評価が人によって分かれることってありますよね。これって、見ている映画や読んでいる本の内容はみんな一緒なんですよね。

評価の違いを生むものは?

でもその映画や本に対する評価が違う。なんでこんなことが起きるんでしょう。

それは、あるものに対する評価の物差しがみんな違うからなんだと思います。物差しというのは、あるものを面白いと思う判断基準(判断要素)のことです。

判断基準が違えば当然結論(評価)も変わってきます。また、判断基準(判断要素)が一緒であっても、何を重視するかによって評価(結論)は異なってきます。

事実の評価が結論の違いを生む

これは、司法試験についても同様のことがいえるわけで、解いてる問題はみんな一緒ですが、結論が分かれますよね。

これは、使っている規範(判断基準)が違うということもあるかもしれませんが、受験生の多くが判例の考え方に従っていることから考えると、判断基準が違っているから結論が異なるということは映画や本に比べると少ない気がします(あることも事実です)。

判断基準が同じで結論が異なるとすれば、それは、その問題の何を重視したか、ある事実をどのように評価したかによって、結論が左右されていることになります。

つまり、同じ事案で同じ判断基準を使っていても結論が分かれ得るということは、「自分の結論が自分とは逆の結論よりもより説得力があるんだ」ということをしっかりと説明しなければならないということです。

大切なのは説得力

例えば、ある映画があって、Aさんがこれからその映画を見に行くかどうか迷っているとしましょう。

その時に、既にその映画を見たBさんとCさんに、Aさんがその映画が面白かったかを聞いたところ、Bさんは面白かった、Cさんは面白くなかったと答えたとしましょう。

その時に、Aさんがその映画を見るか否かは、BさんやCさんがなぜその映画に対してそのような評価を下したのかによって決まると思います(もちろん、あんまり中身について話すと、ネタバレになってしまいますが、とりあえずその点は置いておきましょうw)。

とすれば、BさんやCさんおその映画に対する評価の「理由」をAさんにどれだけ説得的に論じられるかということが問題となってきます。その際、BさんやCさんは、相手が主張していることも考慮して、自分のその映画についての評価の理由を説明しなければなりません。

論文答案も説得力が大切

司法試験も一緒です。自分の出した結論の「理由」をいかに説得的に表現できるかが重要です。

そして、説得的に評価出来ているか否かというのは、自分がある事実をどのように考えたのか、反対事情についてはどのように考えたのかといった点を説得的かつ合理的に表現できることが重要です。

同じ事案を解いていて、かつ自分とは異なる結論もあり得る以上、自分と異なる結論をとる人に対してどのような反論が考えられるか、自分の評価がいかに説得的なものか、この辺りをしっかりと説明することを意識されると、非常に良い答案になるのではないでしょうか。

この記事を書いた人
ナオ

平成25年度の予備試験に合格。平成26年度の司法試験に合格。平成28年に弁護士登録。

都内で弁護士として実務に携わりながら、某大学法学部で司法試験、予備試験志望の学生のゼミで指導員をするとともに、司法試験予備校の論文答案添削など、司法試験の受験指導に積極的に取り組むサッカー大好き弁護士です。

個別受験指導もしています。

Twitter(https://twitter.com/nao_izumiya)

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