私が予備試験に挑戦した経緯は、若干特殊でして、プロフィールにもあるように、平成23・24年と司法試験を受験した後、諸事情により平成25年の司法試験を受け控え、平成25年の予備試験に挑戦し、合格したというものです。
こんな私の初挑戦だった平成23年の司法試験は、短答落ちでした(208点で2点足りませんでした・・・)。
では、平成23年に短答落ちした私が、どうやって平成25年の予備試験の短答式試験に合格できたのか、また、平成26年の司法試験で、上位約10%で短答に合格できたのか、について少しご紹介したいと思います。
短答式がなかなか伸びないという方の参考になれば幸いです。
司法試験初挑戦(平成23年)
さて、この年は、短答に落ちたわけですが、理由は簡単で「過去問を全くやってなかった」ことです(笑)。
今考えればあり得ないですよね…。
逆に過去問を一切やらないで、良くここまで頑張れたなとすら思えます。
2回目の司法試験(平成24年)
短答式に落ちていたことは、自己採点からわかっていたので、まずは、徹底的に過去問を解いてやろうと思い、短答式の過去問を全科目買ってきました。
これが6月初旬くらいです。
私は、少なくとも、9月までには短答式で合格点が取れるようにしようと思いました。
なぜなら、当時、合格発表が9月だったのですが、そこで落ちた人達は、来年自分が戦わないといけない人達であり、そこまでに自分も短答式で合格点が取れるようにならないと、同じラインに立てないと思ったからです。
つまり、合格発表までに短答合格者たちに追いつこうと考えたわけです。
さて、6月から9月までハムスターの如く過去問を回しました。7科目を7~8周したと思います。
その結果は…、230点位だったと思います。
率直な感想は「あんだけ短答やったのに20点かよ!」って感じでした。今考えればやり方に大きな問題があったんですけどね(これは後でお話しします)。
予備試験への挑戦(平成25年)
平成24年の司法試験は、総合2300位くらい、論文は2000位くらいでした。
そして、平成24年に合格したいつも一緒に勉強していた友人から「知識が足りてない」と言われました。
ここが転機でした。この一言で勉強内容を一から考え直そうと思いました。
まず変えたのは、ベーステキストを決めて、それを徹底的に読み込むことにしました。
「ベーステキスト」というのは一般的な言葉ではないかもしれませんが、司法試験受験生時代の私の周囲で使われていた言葉です。
司法試験用の教材を自分用にカスタマイズしたもので、それ一冊で重要な知識の確認や試験直前期の総復習に使用するものを指しています。
今までは、つまみ食いのような勉強でした。しかし、試験に必要な知識は、ベーステキストにあると気づき、これを徹底的に繰り返して読むようになりました。
ベーステキストについては、『司法試験勉強用ベーステキスト作成のススメ』で詳しく説明しています。
次に変えたのは、短答式の勉強へのスタンスです。
私見ですが、短答の勉強と論文の勉強は、そんなにキレイに切り分けられるものではありません。
詳しくは『司法試験の短答と論文の勉強 同じところ違うところ』で書きましたが、問われているのは、知識であり、知識自体は、短答も論文も変わらない、そう考えるようになりました。
そもそも、短答式の過去問「だけ」を解いていても、体系的な知識は身につきにくいということに、平成24年は気づきませんでした。断片的な知識がただただ積み重なっていくだけで、それがリンクしていませんでした。これが、平成24年の時の過ちです。
以上の経緯から、ベーステキストに載っていない短答で問われた知識(判例)や、演習書に書いてある試験に使えそうな知識等は、ベーステキストにどんどん一元化させていきました。別で百選は読んでいましたが、科目によっては、百選自体をベーステキストにしているものもありました。
これによって、ベーステキストを何回も読むことで、必要な知識に何回も触れることになり、知識が定着していきました。
短答の知識・論文の知識という切り分けはほとんどせず(短答プロパーがあるのは事実なので)、「合格に必要な知識」という大きな括りで、(短答プロパーの知識も含めて)知識を定着させていきました。
ちなみに、この1年で短答の過去問は1~2回解いたくらいです。
さて、平成25年の短答は、法令が150ちょっと、一般教養が27くらいで合格できました。
司法試験合格(平成26年)
前年に予備試験に合格できたことから、自分の勉強方法は間違っていなかったと思えたので、引き続き、同じ勉強を繰り返していました。その結果、辰巳の直前模試では350点満点で300点を超える成績をたたき出すことができました。
そして、司法試験では、260点くらいで約上位10%で短答式試験を突破できました。
総括
漫然と過去問を解いていても、点数は上がりません。上がるとしても、合格点までは届かないと思います(現実に過去問「だけ」で合格する人もいるとは思いますが)。過去問で解いて得た知識を有機的に一体化させる必要(体系的理解の必要)があると思います。
これを読んだ方は、「平成25年以降の成績上昇は、それまでの過去問回しがあったからでは?」と思う方もいると思います。もちろん、それは否定しません。あのハムスター作戦があったからこそ、断片的であっても知識を得ることができましたし、考え直すきっかけにもなったのですから。
しかし、これを読んだ皆さんなら、私がしたミスをしなくても、正しい過去問の使い方、インプットの仕方に辿り着けるわけですから、無思考で短答の過去問を解くということは避けられると思います。
点の知識から線の知識、さらには線の知識から面の知識へと知識を体系化していくということを意識しながら勉強することが大切です。
最後に
今回のやり方は、あくまでも私のやり方であって、手段の一つでしかありません。他のやり方も沢山あると思います。
ただ、闇雲に過去問を解くのではなく、情報を一元化するなり、過去問で得た知識を体系的に理解するなりして、合格に必要な知識を習得することが目的なので、一つのサンプルとして参考にしてもらえればと思います。
これを読んで、一人でも参考になったという方がいたら、幸いです!
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